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ガバナンスミーティング頻度

ガバナンスミーティングの頻度について

皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。

我々エンドルフィンズは、昨年(2020年)の10月からホラクラシー運営をスタートさせました。今年2021年の10月でちょうど1年間ホラクラシーを運用してきたことになります。

今回は、そんな1年間の経験をもとに、ガバナンスミーティングを開催するオススメの頻度と、その理由についてまとめていきたいと思います。

目次

ガバナンスミーティングとは?

ガバナンスミーティングってそもそも何なの?という方は、まず以下の記事をご覧いただければと思います。

ガバナンスミーティングの流れとFacilitatorの役割

ホラクラシー組織では、その組織構造を決める権限を「プロセス」に移譲しています。要約すると、その組織構造を決めるプロセスが「ガバナンスミーティング」になります。

推奨されているガバナンスミーティングの頻度

ホラクラシー憲法において、ガバナンスミーティングを開催する権限はセクレタリーというロールが保持しています。憲法上においてガバナンスミーティングの頻度に関する記述はありません。

一方で、ホラクラシーに興味を持っている人のほとんどが読んだことがあると思いますが、以下の本(エンドルフィンズでは“青本”と呼んでいます)のP.247にこんな記述があります。

“典型的な頻度は〜(中略)、ガバナンス・ミーティングの場合は隔週か毎月である。「最初は、少なすぎるよりは多いほうがいい」と私はアドバイスしている。”

ホラクラシーの生みの親であるブライアン・J・ロバートソン氏が、ガバナンスミーティングは基本的に隔週もしくは月に1回程度で、最初の内は多く開催した方が良いと記述しています。

私達がホラクラシーを1年近く運用していての結論としては『立ち上げ期は週1回程度の高頻度でガバナンスミーティングを開催するのがオススメ。ロールの明文化をある程度終えたらガバナンスミーティングの頻度を隔週若しくは月に一回に引き下げる。』という運用が良いのではないかと思っています。

その理由について解説していきます。

ガバナンスミーティング迷子

我々がホラクラシーを適用した初期(本当のことを言うと最近まで)は、ガバナンスミーティング中に迷子状態になることがよくありました。迷子状態とは、今何を議論しているのか、するべきなのかが分からなくなる状態のことです。

我々がこの状態になってしまった要因は大きく2つ挙げられると思います。

  1. ガバナンスミーティングの各ステップをきちんと理解できていなかった
  2. 歪み(ひずみ)をロールベースで明文化するスキルが足りていなかった

それぞれ解説していきます。

ガバナンスミーティングの各ステップをきちんと理解できていなかった

ガバナンスミーティングは、5つのラウンドから構成されており、それぞれのラウンドの進め方が厳格に定められています。

今でこそ把握できているのですが、ガバナンスミーティングの序盤のラウンドではメンバーが感じた歪みを他のメンバーがしっかりと把握できるまで質問を重ね、歪みの輪郭をクリアにする必要があります。

この明瞭化を怠ってしまうと、後半のラウンドでは参加者の質問が禁じられているパートが多く、歪みの内容が不明瞭なままプロセスが進んでしまうので、我々は「今なんの課題に向き合っているのか」がわからなくなる状態にしばしば陥りました。

これはメンバーのガバナンスミーティングというプロセス、各ステップの理解不足、経験不足の結果発生した事態だと思います。

こうしたガバナンスミーティング自体の理解不足によって生じる不具合をなるべく早く解消するためにも、ホラクラシー適用初期にガバナンスミーティングを高頻度で行うことをオススメします。

未だに、毎回スムーズに進むとは言いがたい状況ですが、回を重ねるごとに要点が理解できてきたことと、メンバーがその要点を行動にまで落としこめるようになってきたので、今ではかなりガバナンスミーティングの質が高まってきたと感じています。

議論の対象が明文化されていなかった

個人的には、こちらの要素の方がガバナンスミーティングの頻度という切り口では、より重要ではないかと認識しています。

ホラクラシーの重要なエッセンスの一つに“明文化(文字にする)”があります。役割や責務を明文化することによって、責任のグレーゾーンを作らず、メンバー間での認識の齟齬や期待値の齟齬が発生するのを防止します。

我々がガバナンスミーティングで迷子になっていた要因の大きな部分が、この明文化が徹底できていなかったことだと思っています。

例えば、メンバーの一人が歪みを感知したとして、その歪みが既存の業務に関することなのか、それとも新しくロールを新設しなければ解決できない歪みなのか判断に迷ったとします。その際、既存の業務に関するロールが全て明文化されていなければ、上記の判断は難しいでしょう。

ガバナンスミーティングを開催したところで、その歪みを解決するにはあんなロールもこんなロールも必要で、それは今あるものなのか、今ないものなのか、とガバナンスミーティングに慣れていないチームがこうした事態に陥ると高い確率で迷子状態になってしまいます。

経験の浅かった我々も、既存の業務をロール化することや、日々感じる細かい歪みを都度明文化することなく、隔週や月一回の頻度でガバナンスミーティングを行っていたために、迷子になりがちだったのだなと振り返って気づきました。

ガバナンスミーティングおすすめステップ

先ずは現在の実作業をロールとして明文化する

これら迷子の経験を経て私がオススメするのは、先ずは「現在の業務を抜け漏れなくロール化すること」です。そのためにガバナンスミーティングは高頻度(週に1回程度)開催することをおすすめします。

最初は、そもそもロールって何?状態からスタートすると思うのでピンとこないかと思いますが、自分が今行っている仕事はどのようなロールになるのか、どのような目的・領域・責務を負っているのか、全て文字に起こしましょう。

これをチームで持ち合うことで、組織にどのような役割が必要だったのかが可視化されます。

ここでのポイントは、細かすぎるかもしれないくらいの粒度でロールを明文化していくことです。抜け漏れは無いなと思うくらいまで細かく明文化していきましょう。

この、すべてのロールを洗い出す作業をホラクラシー適用序盤の時期に行うことでのメリットは2つあると思っています。

  1. メンバーが歪みの感知の方法と提案の方法に慣れる
  2. 新たに発生したロールを感知しやすくなる

メンバーが歪みの感知の方法と提案の方法に慣れる

ホラクラシーの真のパワーを発揮させるには、上述の通り「明文化」が一つのキーワードです。日々発生する業務で、役割と責任がが明確でないもの、つまりグレーゾーンを潰すことが大切だと思っています。

ホラクラシーに用意されている様々な制度は、グレーゾーンを潰せるように設計されているのですが、実行するのは紛れもなく組織のメンバーです。制度はあってもメンバーがグレーゾーンをしっかりと潰すことを習慣化できなければホラクラシーは形骸化し、気づいたらヒエラルキー型の組織に戻っていたということになりかねません。

現状行なっている業務のグレーゾーンを潰すことをホラクラシー初期に徹底して行えると、これが組織の習慣となり、形骸化を防げる組織になりやすいかと思います。

そのためにもホラクラシー適用初期には、週に1回程度の頻度でガバナンスミーティングを開催することにし、メンバーにはこの1週間、役割のポテンヒットが生まれていないかを気をつけながら業務にあたるように意識付けするのが良いのではないかと思っています。

新たに発生したロールを感知しやすくなる

人は物事を判断するのに、判断軸が必要です。今まで行ってきた業務が全て明文化されていないとしたら、何を判断軸として新たに発生したロールなのか否かを判断すればよいかが不明瞭になってしまいます。

そうした事態を避けるためにも、ホラクラシー適用初期に現在行っている業務を抜け漏れなく明文化する必要があるのと思っています。

明文化が完了したら、新たにチームメンバーが感じた歪みが、今あるロールを改変することで解決できるのか、それとも新しいロールが必要になるのか、判断が容易になります。

こうして、ガバナンスミーティング自体も迷子状態になりにくく、スムーズに進行できるようになるはずです。

ガバナンスミーティングの頻度について、まとめ

今回は、ガバナンスミーティングの頻度について纏めてみました。

結論は、

『ホラクラシー適用初期は、現在行なっている業務を全て明文化することを目的に高頻度(週1回程度)でガバナンスミーティングを行うことがオススメ。
全ての業務が明文化され、ロールの変動が少なくなってきたら、頻度を隔週もしくは月1回とする。』

こんな感じかと思います。

是非、これからホラクラシーを適用しようと思っている方は参考にしてみてください。

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