皆さん、こんにちは。エンドルフィンズ代表の田上です。
最近、新規のお問い合わせを多く頂いております。
お問い合わせの内容の多くはホームページの新設やリニューアルのご相談なのですが、特にリニューアルをご所望の々が口を揃えておっしゃられているのが『前の制作会社さんのパフォーマンスが全然期待していたものと違っていまして。。。』というフレーズです。
本当にびっくりする程大半のお客様が同じフレーズを口にするので、何か共通した原因がありそうだなと思いヒアリングを交えつつ原因を調査いたしました。
その結果、見えてきた問題点やホームページ制作会社を選ぶ際のポイントなど、実際にホームページ制作を行なっている弊社の目線だからこそ分かるポイントも交えてお伝えしようと思い、本記事の執筆に至ります。
この記事を読み終えると、ホームページリニューアルに際して自社で事前に準備すべき項目が具体的に分かります。
また、ホームページ制作事業者を選定する際に、失敗しないためのポイントも理解できるようになっているかと思います。
それでは、ホームページ制作事業者の選定方法について解説していきたいと思います。
目次
まずは、リニューアルの目的や課題の質を上げましょう
まず、初めに解説しておくべきポイントとして、リニューアルの前に自社の課題をしっかりと洗い出すことです。
ホームページリニューアルの満足度を上げるためには、自社の課題に合ったホームページ制作会社を選定することが一番重要です。
そのためには、当たり前ですが自社の課題の解像度が高くなければなりません。
多くの企業においては、この課題の質を上げる前に、社長の知り合いの制作会社に選定してしまっただとか、同僚の口コミベースで制作会社を選定してしまい、自社の課題とミスマッチな制作会社さんがホームページを構築したため、前述の不満につながっているという実態がありました。
よって、最初に取り組むべきは、なぜリニューアルをしなければならないのか、その目的や課題の質を上げることだと筆者は考えます。
いきなり、課題の質を上げるといってもピンとこない方が大半だと思いますので、以下に検討すべき項目を例示いたします。
ホームページリニューアルの目的と背景
まずは、ホームページリニューアルの目的と背景です。
私がお客様と接している中で大まかなホームページリニューアルの目的は以下に収斂されるのかなと感じています。
- ホームページからのお問い合わせを増やしたい
- ホームページの認知度を向上させたい
- デザインをおしゃれなものに刷新したい
- 採用を強化したい
- コンテンツの更新がしにくいので改善したい
また、これらの目的をクリアにするためにも、ホームページリニューアルが話題に挙がった背景をチェックするのはとても大切です。
リニューアルを担当する部署の方は、ホームページリニューアルを実施することになった背景を明確にした上で、その内容を制作会社にも共有できるようにしておくと、制作会社との間の期待値のギャップが少なくなるかと思います。
ホームページリニューアルの概要ならびにコンセプト
次に、リニューアル内容に少し踏み込むものですが、ホームページリニューアルの目的を達成するために、例えばどの様なページを用意したい、だとか、当社の強みは技術力だから『技術力を全面に押し出した』ホームページにしたい、といったリニューアル後のホームページの概要、コンセプトを明確化することです。
ここではあくまでも事前準備の段階なので、ふわっとした状態でも大丈夫ですが、大きな方向性を社内で合意しておきましょう。
こちらも多々発生するのですが、プロジェクトが進行している途中で、コンセプトが根底から変わる、もしくは元々コンセプトなどなかったのに途中で発生するということが起こり得ます。
これは、プロジェクトスタート時は本気ではなかった社内関係者が、さまざまなイメージが固まってきた段階で本腰を入れ始めることに起因することが多い気がします。
そうなってしまうと、当初予定していた期待値と、作成されたホームページの出来が全然違うといった事態になってしまって当然です。
リニューアルの大筋の概要やコンセプトは事前に社内で固めておきましょう。
ホームページのターゲットとインサイト
上記と関連して、ホームページのターゲットは誰かを明確化しましょう。
会社の中で既にターゲットを明確化している場合は、その内容を制作会社にもできるだけ詳細に共有してあげましょう。
ターゲットを明確化していないという場合は、ホームページのリニューアルによってどんな人にホームページを訪問してほしくて、どんな目的を持ってお問い合わせをしてきて欲しいか、といった解像度を上げる取り組みをしていきましょう。
また、そのターゲット層はこんな行動を取りやすい、だとか業界特性としてこんな特徴を持ったターゲットが訪れやすいなど、その会社の中に溜まっている独自ノウハウがあればそれも事前に共有できる形にまとめておきましょう。
デザインとして参考にしたいサイト
デザインとして参考にしたいサイトや、イメージに近しいサイトの例を事前に用意しておいてあげると期待値のギャップを減らすのにとても効果的です。こちらも用意して制作会社さんに共有してあげましょう。
こうしたデザインの軸が最初から可視化できる状態で打ち合わせができると、「ここの部分はちょっとテイストを変えて、、、」といった具体的かつ細かいイメージの擦り合わせが可能になるのでメリットが大きいです。
大体、2〜3サイトを事前に用意してあげとくと良いかと思います。
希望納期と最大納期
納期の提示と、その理由もとても重要です。
まず、納期まで時間がないといった事態はなるべく避けましょう。制作会社もそれに合わせてリソースを割ける状態か分かりませんし、対応できたとしても割高になるケースが大半、且つ急いでいるために細かい認識のズレを調整する時間がない、といったほぼデメリットしかない状態になりやすいです。
希望納期は、最低でも2ヶ月半〜3ヶ月後を見繕っておきましょう。
また、最大納期としてある程度バッファーを見ておくこともオススメします。良質な制作会社は、お客様のためにより良いサイトにするための提案をしてきてくれたりします。
そうした良い意味でのイレギュラーに対応できる様に最大納期としてスケジュールにバッファーを見ておくことはとても大切なことです。
予算
予算は、事前にある程度の金額感を決めておく方が無難です。
ホームページは基本的にオーダーメイドで作られます。制作会社は、その予算に応じて上限額の中での最高のパフォーマンスを提供しようと計画します。
予算が提示されない場合、様々な負の要素のバッファーを見なければならず、その場合制作会社の全力のパフォーマンスは期待できないでしょう。
社内である程度の予算感を握り、この金額を上限として出来ることを提案してほしい、と制作会社に持っていった方が、互いにWin-Winの関係になりやすいと実体験として感じます。
提案依頼書(RFP)としてまとめましょう
以上が大まかな、事前準備となります。
全て自社がホームページをリニューアルしようと考えた課題意識をクオリティ高く解決してもらうためにはどうすれば良いか、に関連する内容になっていることがお分かりいただけるのではないかと思います。
制作会社はあくまでもホームページを制作するプロであって、お客様のビジネス領域のプロではありません。よって、お客様の抱える課題意識を数回の打ち合わせだけで読み解くのは至難の業です。
制作会社に依頼を行う前に、自社の中で課題の質を高め、文章に落とし込んでおくことで、制作会社との間の課題意識に関するギャップが少なくなり、それが最終的なアウトプットの質に直接的に影響を与えます。
こうした事前準備をまとめるツールとして『提案依頼書(Request for Proposal)』というものが存在します。
上述した項目以外にも細かく、事前に確認しておいた方が良い項目も含まれており、これを作成し、ホームページ制作会社へ提出することによって、意思疎通がよりスムーズになります。
以下に、当社が実務でお客様にご提供している提案依頼書をダウンロードできるようにしています。個人情報などの入力なしにダウンロードが可能ですので、ご興味のある方は是非お手にとってみてください。
ホームページ制作会社の選定基準
さて、目的や背景の解像度が向上した後に、いよいよホームページ制作会社を選定するフェーズに入るのですが、当然、制作会社はホームページリニューアルの目的を達成できる事業者を選定する必要があります。
ホームページ制作会社はそれぞれで固有の強みを持っているものですが、その強みも大まかに以下の3つに分類できます。
- デザインに強い制作会社
- Webマーケティングに強い制作会社
- 安い・早いに強い制作会社
です。
デザインに強い制作会社
まず、自社のホームページリニューアル目的が、かっこよさを追求したいとか、古いデザインを刷新したい、といった場合に選ぶべき制作会社になります。
デザインに強い制作会社は、自社のホームページも個性的なことが多いです。
ふんだんにアニメーションやエフェクトが使われており、かっこいい動画も埋め込まれていることが多いです。
こうした制作会社の多くは、広告業界出身の方が立ち上げている傾向が強い気がします。
ToC向けのプロダクトや、ブランディングの強化が必要な業種・業態の方が合うかもしれません。
Webマーケティングに強い制作会社
次にWebマーケティングに強い会社です。Webを使った集客施策などを得意領域としているので、ホームページリニューアルの目的が、新規顧客を増やしたい、認知を拡大したい、お問い合せを増やしたい、といった売上直結型の場合に選ぶべき制作会社になります。
採用を増やしたいといった場合もこちらのカテゴリーが合うかと思います。
かく言う弊社もこちらのカテゴリーに入ります。
こうした制作会社の特徴は、データ分析を行いリニューアルの前に綿密な改善計画を立てることが挙げられます。
現状でどのような属性のユーザーが訪れているのか、競合他社との差別化やWebマーケティング施策における差別化など、ホームページリニューアルの後も継続して集客施策を改善・運用していくケースも多いのがこちらのカテゴリーの特徴になります。
安い・早いに強い
最後に、安い・早いに強い制作会社です。
このカテゴリーは、デザインがある程度決まったテンプレートを保有しており、お客様の要望に合わせて一部カスタマイズはしますが、大筋のデザイン・機能は決まってしまっているといった制作会社が多いです。
何よりも価格を安く抑えたい、短納期で仕上げたい、といった場合にこのカテゴリーの制作会社を検討するのが良いかと思います。
このカテゴリーの制作会社は、案件数を多く回すことで利益を生んでいるため、安い・早いの代わりにリニューアル後の継続的なサポートや早いレスポンスなどは期待しない方が無難です。
安く済ませたい、けど手厚いアフターフォローが欲しい、といった要望はそもそも叶わないということは前提として理解しておきましょう。
こうした大まかな制作会社のカテゴリーを知っておいて、自社の抱える課題や、リニューアルの背景・目的と照らし合わせて最適なカテゴリーに所属する制作会社を探しましょう。
プロジェクトの進行やアウトプットに関する期待値とのギャップがさらに少なくなるはずです。
ホームページ制作会社のチェックポイント
最後に、ホームページ制作会社が安全か・信頼できるかどうかを見極めるポイントをご紹介したいと思います。
このポイントだけ抑えれば絶対に間違いないとは言い切れませんが、多くのお客様が不満を抱えているポイントをピックアップしているので、大きく外れることはないかと思います。
Web会議、対面での印象
まずは、Web会議もしくは対面での印象をチェックしましょう。
そもそも、対面の打ち合わせなくメールベースで進めようとしてくる制作会社は危険です。上述の「安い・早いに強い制作会社」であれば別ですが、それ以外で対面での打ち合わせをしようとしない制作会社は、なるべく工数を減らそうとしている意図がある以外に考えにくいので、その時点でお客様視点を持てない会社と判断してしまっていよいと思います。
対面での印象の中でも特に、正確に自社側の要望を汲み取ってくれるか、その上で適切な質問をし、深掘りしてくれるかなどのコミュニケーション能力はチェックすべきかと思います。
世の中にホームページを作れる会社や個人はごまんと存在します。それでもなおホームページ制作会社を起用するのは、組織でしかアウトプットできない質の高さを期待してのことです。
そのアウトプットの質を左右するのは、ディレクターやプロジェクトリーダーといった人たちのコミュニケーション能力が大きいものと筆者は考えます。
よって、打ち合わせの際に、違和感なくスムーズにコミュニケーションを取れるか、きちんと誠意を持って要望を聞いてくれるか、といった目線でチェックをするようにしましょう。
プロジェクトチームの体制
次にプロジェクトチームの体制です。
弊社に寄せられる不満の上位に「打ち合わせの際は制作会社の営業の人が担当していたが、プロジェクトが走り始めると、制作サイドの担当者に変わり、要望が全然伝わっていなかった」というケースがランクインしています。
初回、もしくはプロジェクト初期から、実際に制作する人も打ち合わせに出ているのかのチェックや、プロジェクトが進んでいった場合に誰が中心となって進めていくのか、などの確認は初期の段階でしておくべきかと思います。
上述のような、最初だけ営業、あとは制作といった分業体制になっている場合、後々期待値とのギャップが大きくなるケースが多い気がしています。
受け身ではなくて、提案をしてくれるか
こちらも寄せられる不満の上位にランクインする要素ですが「制作会社がこちらの言ったことした対応してくれず、提案をしてくれない」といったものです。
こうした、受け身の会社かどうかは、見積もりや仕様の打ち合わせの際の姿勢で大体わかるかと思います。
提案型の会社は、打ち合わせの際に肯定的な意見もあれば否定的な意見も言ってくれるのが特徴だと考えます。それは当然プロからみて、事前準備が足りないところや、ロジックをもっとこうした方がいい、といったところが目につくはずだからです。
より良いホームページにするために、発言してくれる会社なのかを打ち合わせの段階でチェックしましょう。
制作会社にとって不都合なことも教えてくれるか
前の項とも関わるのですが、制作会社にとって顧客に対して否定的な意見を言うことは失注のリスクを伴います。その上で本当に顧客のためを思ってあえて否定的な意見も伝えるのが本当のプロだと思います。
制作会社にとってマイナスになるようなこともしっかりと言ってくれるか、というポイントで制作会社の姿勢をチェックするのは1つの有効な切り口だと思います。
制作会社自身のホームページでコンテンツマーケティングなどの集客施策を行なっているか
最後に、ホームページのリニューアル目的が新規顧客の獲得などWebマーケティングに強い制作会社を起用するのが良い場合、その会社自身のホームページをチェックしましょう。
ホームページを使った集客施策の中でも主要な施策の一つが「コンテンツマーケティング」と呼ばれるものです。こちらはブログなどでターゲットユーザーにとって有益な情報を量産していくことによってホームページの認知度を上げる取り組みなのですが、Webマーケティングをきちんと実施できる制作会社は、自社のホームページの中でもブログ記事を大量に書いていたり、お役立ち資料を豊富に揃えているなど、自社でもしっかりとマーケティング施策を実施しています。
そうした制作会社を優先的に選定するようにすれば、まず間違いはないかなと思います。
まとめ
今回は、ホームページリニューアルに際して自社で事前に準備すべき項目や、ホームページ制作事業者を選定する際に、失敗をしないためのポイントを解説いたしました。
折角時間もお金もかけて行うホームページのリニューアルなので、しっかりと自社の資産になるようなホームページにしたいと誰もが考えることかと思います。
この記事が失敗しないリニューアルの一助となれば幸いです。