皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。
今回は、『UXデザイン』について解説していきたいと思います。
UI/UXという言葉をよく聞く様になりました。ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスとう言葉が表す様に、デザインはユーザーがいかに使いやすいか、ユーザーがより良い体験を享受できるか、に価値が置かれる様になってきています。
今回は、UXとはそもそもなんなのか、UXを高めるデザインを落とし込むためにはどの様なポイントに気をつければ良いのか、解説していきたいと思います。
目次
UI・UXとは?
UXとは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略称で、日本語訳すると、『ユーザーの体験、経験』を意味します。
UXと合わせて語られるのがUI、User Interface(ユーザーインターフェース)で、こちらは一般的にWebサイトやアプリの画面のビジュアルデザインのことを指す際に使われます。
ATMのサービスを例にUI/UXを説明すると、UIはATMの操作画面のデザインです。『引き出し』や『預け入れ』など画面に表示されるデザイン自体がUIであり、ユーザーが達成したい行動を迷いなく操作できるデザインが良いとされています。
一方で、UXは、ユーザーがお金を引き出したいと考える起点から、お金をおろし終えた瞬間まで、『ATMを使う体験』全体を指し、UIよりもより広義の概念とされています。
つまり『UXデザイン』とは商品・サービス開発の全行程にかかわる、包括的な考え方を表しているのです。
UXデザインが求められるワケ
日本では『デザイン』と聞くと、UI的なデザイン、つまりビジュアルデザインとして認識される方が多いと思いますが、そもそも『design』という単語には『設計する』という意味が含まれています。
現代のビジネスシーンにおけるデザインは、UI的なデザインから、UX的な『ユーザーの体験全体を設計する』という意味合いが強くなってきています。
なぜ、近年UI・UXという言葉が流行り始めたのか、UXデザインが企業から求められる様になったのか、それは急速に発展してきたインターネットやIT技術の普及による市場の変化に起因します。
インターネットが普及し始める2000年代前半までは、市場にはまだまだモノが供給されておらず、企業は商品やサービスの『高機能化』『低価格化』にリソースを割いていました。高機能で低価格なものを開発することが売り上げをあげることに直結していたのです。
一方で、2000年代後半から徐々にモノが飽和状態になり、インターネットによるグローバルな商品競争が始まりました。こうしたモノが飽和状態になり、世界レベルでモノがコモディティ化すると、『機能』や『価格』だけでは差別化を図れず、商品やサービスからユーザーがどの様な体験が得られるか、またはその体験や経験をSNSなどでシェアできるか、に差別化のポイントが移ってきているのです。
所謂、『モノの消費』から『コトの消費』へとユーザーの求めるものが変わってきているというのが、UXデザインが求められ始めたことの背景にあるのです。
UXデザインのポイント
それでは、ここからUXデザインのポイントについて解説していきたいと思います。
UXデザインは上述した通り、『ユーザーの体験の設計』ですので、非常に広い概念です。
ある程度のフレームワークを用意し、まずはそれに沿って考え、PDCAサイクルを回しつつ、それぞれの事業体にあったUXデザインにブラッシュアップしていく手法をとると良いでしょう。
最も基本的なUXデザインの進め方のポイント5つを紹介します。
ポイント1:ユーザー調査
まずは、ユーザー調査です。
ここでいうユーザーは、新規事業であればターゲットとするユーザーに、すでに自社の商品・サービスを購入、利用したことがある顧客がいればそのユーザーのことを指します。
まずはユーザーにインタビュー、または自社サービスを使うシチュエーションを実際にやってもらいましょう。
ユーザーが実際に行う購買行動と、企業サイドがユーザーに『こう動いて欲しい』と思っている行動は全く違います。ユーザーへのインタビューはこうした事業者の仮説とユーザーの求めることのギャップを埋め、新たな気づきを得る絶好の機会です。
まずはユーザー調査から始めましょう。
ポイント2:分析、改善案の立案
ユーザー調査から浮き彫りになった現状や課題について分析し、改善案を策定しましょう。
その際に、『ペルソナ』や『カスタマージャーニーマップ』『ストーリーボード』といったフレームワークを活用しても良いかもしれません。
チーム内で理解の共通化が図れ、分析項目や改善案の明文化が図れます。
ポイント3:デザインへの落とし込み
分析し、策定した改善案をデザインへ落とし込みましょう。
ここでのデザインはもちろん『設計』を意味するモノです。
ユーザーが自社の商品やサービスを想起してから、実際に使うまで、もしくはリピートするタイミングなど、ユーザーが自社商品にタッチするポイントごとにユーザーの体験を定義していきます。
ポイント4:試作/プロトタイピング
デザインの落とし込みが終わったら、実際に自社商品やサービスをその仮説に基づいて作成・改良していきましょう。
実際に試作品として形作ることで、ポイント3まででは気づかなかった要素などを発見することができます。
ポイント5:テスト/計測
試作が終わったら、ユーザーテストをしてみましょう。
再度フィードバックをもらい、より良いUXデザインとなる様に、テスト→フィードバック→仮説の再構築を繰り返します。
企業主体からユーザー主体の考え方へ
上述の様に、UXデザインを追求していこうと思うと、答えはユーザーの中にしかありません。
各工程でユーザーにヒアリングしたりフィードバックを得たりしながらの開発・検証は、はっきり言って面倒くさいです。
その面倒くささゆえに、自社の中の閉じられた空間で『きっとこんな商品がウケるはず』『こんなサービスがニーズがあるはず』と仮説ベースでプロジェクトを進める方法に傾きがちです。
近年では、ユーザーの体験こそがブランド価値形成の中心になると言われており、成果を出している商品やサービスの開発は、総じてこのUXデザインのプロセスが取り入れられています。
UXデザインを効果的に実践に移すためには、今までの『企業主体』の考え方から『顧客主体』の考え方に関係者の価値観を変え、面倒くさいことも愚直にやりきる姿勢こそが最も重要だと言えるかもしれません。
Web集客で重要なUXデザインとは?、まとめ
今回は、Web集客で重要な『UXデザイン』とは?について解説しました。
インターネットやITの普及で、ネット上であらゆることが可能になってきた一方で、成功する商品やサービスは、地道にユーザーへのヒアリングなどアナログなことを繰り返しています。
自社の商品やサービス、Webサイトを振り返る際にぜひUXデザインを参考にしてみてください。