皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。
本日は、ホームページのリニューアルの際にトピックに上がることの多い「英語化」について触れたいと思います。
ホームページのリニューアルに伴って、英語ページも作りたいという要望を出されるクライアントは多いです。もちろん英語ページを用意できると、ターゲットの範囲が日本国内から世界に広がることになるので事業を行なっていく上では魅力的に思えるでしょう。
しかしながら、英語ページを作ったからといって期待した効果が出るかはまた別の話です。また、英語化には相応のデメリットも存在します。
本日は、ホームページのリニューアルに伴って英語化を検討されている事業者の方向けに、英語化のメリット・デメリット、また効果を出すためのポイントを解説して行きたいと思います。
目次
英語化のメリット・デメリット
サイトを英語化することで、多くのメリットを見込めます。
一方で、相応のデメリットも存在します。まずは、英語化の代表的なメリット・デメリットを見ていきましょう。
英語化のメリット
まずは英語化のメリットからです。
・海外のユーザーに対し自社ビジネスをアピールできる。
・海外ユーザーからの問い合わせ増加が期待できる。
・固定ページやブログ記事などコンテンツ量が倍になりSEO的に良い影響が期待できる。
この辺りが主だったメリットかと思います。
ご覧の通り、主に海外ユーザー、つまりターゲットのパイを日本国内から海外マーケットまで広げることができる点がホームページを英語化する最大のメリットかと思います。
国内市場に頭打ち感を感じられている事業者の場合は、海外までマーケットを広げ売上の向上を図りたいと思うことは当然の流れだと思います。
英語化のデメリット
一方で、英語化のデメリットとして以下の点は把握しておくべきかと思います。
・ホームページ制作の費用が高くなる(単純に倍の金額がかかる)。
・更新・運用に掛かる労力が倍になる。
・問い合わせなどのオペレーションにかかる費用が高くなる。
この辺りが主なデメリットになるかと思います。
まず、ホームページ制作費用の話です。英語化ページを用意するとホームページのページ数としては単純に倍になります。制作会社によっては日本語のみのホームページの倍の費用を請求されることもあるでしょう。
倍の費用を払ってでもその後の運用で売上を上げることができればビジネス的には成功なのですが、デメリットの2つ目・3つ目の要素と関連して、英語化したホームページを使って売上に繋げることは日々のオペレーションとも密接に関連してきます。
日々のオペレーションで意識するべきポイントの一つ目として、ホームページの更新の際に日本語のみならず、英語版も更新しなければならなくなります。
英語ページも用意されているホームページを見つけたら、ニュースなどの更新記事が英語版も更新されているかをチェックしてみてください。大半のサイトが、日本語は更新しているけども英語ページまで手が回っていないという状態で放置されています。これでは、海外ユーザーから見て認知度も、信頼性も低下してしまいます。
また、同じく英語サイトをオープンするということは、当然問い合わせや仕事の連絡も英語できます。英語化を要望されているクライアントに、英語化したとして社内に対応できる体制は整っていますか?と聞くと、大半のクライアントができていないと答えます。
ホームページの英語化は、英語で対応できる人材の配置や、タイムリーに対応できる体制を整えるのと同時並行で行う必要があると認識すべきです。
定期的なメンテナンス・更新の難しさ
英語化のデメリットの多くはホームページのリニューアル後に顕在化します。主に、不定期で発生するお問い合わせ対応、ニュースやブログ更新などが典型例です。このお問い合わせ対応や更新は日本語のみのサイトでも挫折するクライアントが多い、とてもハードルの高い課題です。
一方で、その高いハードルを超えたクライアントは確実な成果・売上の向上を達成しています。この、定期的な発信を行う上での重要なポイントを解説します。
自社内に専門のチームを作れるか?
まず始めに、お問い合わせ対応や情報を定期的に更新していく作業には、チームであることが欠かせません。
多くのクライアントは、リニューアル後のホームページの運用、記事更新などを一人の担当者で対応しようと考えます。ですが、その体制ですと高確率で途中で挫折し、その内誰も更新しない放置されたサイトになってしまします。
ホームページのリニューアルに伴って英語化を検討される場合は、なおさらリニューアル後のホームページ運用体制として、対応・更新に関する専門のチームを社内に構築できるかを同時並行で検討しましょう。
それができないのであれば、英語化は諦めて日本語一本に絞るという決断をした方が良いと思います。
自社内に専任者を置き、外注化を含めた仕組み化ができるか?
自社内に専門のチームを作れなくても、更新を仕組み化し、外部のリソースを使える体制を築けると上手くいくケースもあります。
例えば、情報発信の企画は社内で作成し、記事作成やチェック機能はフリーランスの委託先を探し、最後のチェックを再度社内で行うような体制を構築できると、自社内に専門のチームを作らずとも対応が可能になります。
ただし、その場合でも仕組みを管理する担当者はホームページの運用に専念できるポジションである必要があります。主担当の業務があり、副担当的にホームページの運用を行う体制を取ってしまうと高確率で途中で挫折してしまうでしょう。
専任者として仕組み化を先導でき、仕組みがうまく回り始めた後もクオリティのコントロールや社内業務のマネジメント、問い合わせ対応などをうまく回せる人材を配置することができれば成功の確度は高まります。
こちらもホームページの英語化の検討段階で同時に議論することをお勧めします。
英語化サイトで効果を出すポイント
ここまでお話しした体制が構築できるとなって初めて、ホームページの中身を検討していきます。
上の画像は、私がサイトの戦略からキーワード選定、ホームページ構築まで手がけた『Brush Stroke』という書道家の方のホームページの1年間のアクセスデータの推移です。最初は全然アクセスが集まっていなかったのが、ある時点からどんどんとアクセスが増えていき、右肩上がりで増加していってるのが分かるかと思います。
英語化する際には、日本語のホームページリニューアルに加えて、以下の項目をより強化していく必要があります。
ターゲットの明確化
まずは、ターゲットの明確化です。
英語化といっても、自社の商品・展開しているサービスによって見てほしいユーザー、狙うべき地域は変わってきます。まずは、どの地域のユーザーをメインのターゲットにするのかを検討しましょう。
Brush Strokeの場合は、『北米のユーザー』をメインターゲットに据えています。結果は、上の写真の通りで、現在大半のユーザーが北米から流入しています。
自社の商品特性と、ターゲットとするユーザーが何を求めているかをすり合わせながら、自社サイト内にどのようなコンテンツを充実させていけば良いのか、戦略を考えホームページを構築していくと、このように狙ったターゲットに届けることが可能になります。
ターゲットを明確化した次は、キーワードの選定に進みます。
キーワードの選定
ターゲットユーザーを明確化したら、自社のサービスでターゲットユーザーに検索してもらえそうなキーワードを洗い出します。
その上で、そのターゲットの地域で検索ボリュームの多いものを洗い出していきます。もちろんユーザーの質(本当に自社が狙うべきユーザーなのか?)も同時に検証していきます。
そうしてキーワードに優先順位を付けながらホームページのリニューアルプランを立てていきます。
データ分析・コンテンツの調整
英語化したホームページを公開した後は、それらのコンテンツが狙いとするターゲットにきちんと届いているかをデータで確認します。
上のアクセスデータからも分かる通り、最初は全然アクセスが集まりません。しかしながらその苦しい期間を乗り越えれば、ある瞬間から爆発的にアクセスが増加します。全てではありませんが、効果が出ているサイトの大半はこのようなアクセス数の推移を辿ります。
効果が出ない期間に地道にコツコツとデータ分析とコンテンツの内容の調整を行いながら運用を続けていくことが成功への近道になってくるのです。
ホームページを英語化? 英語化するメリット・デメリットを解説します、まとめ
今回はホームページの英語化を検討する際に気をつけた方が良い点を中心に解説していきました。
ホームページのリニューアルは、それがゴールではなく、スタートです。
ホームページのリニューアルを点ではなく、線で考え、せっかくお金をかけてリニューアルを行うのであればしっかりと効果が出る体制を整えましょう。