皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。
今回は、ホームページリニューアルに際しての戦略の立て方その3、自社の競合他社を理解しようというテーマで解説していこうと思います。
第一回、第二回の記事は以下のリンクから飛べます。
自社を理解し、自社のお客様を理解したあとは、自社の競合他社について理解を深めていきます。
ここでも第二回のお客様を理解する時と同様に、あくまでもお客様目線で自社と比較検討されている企業を調べていく必要があります。そうすることで、自社の強みや弱み、どのようなポイントを強調すると、よりお客様に届きやすくなるかが明確化されていきます。
今回は、顧客目線で競合企業を理解していくためのポイントを解説していきたいと思います。
目次
競合他社を理解するために必要なこと
お客様視点で自社と比較検討される競合企業を理解する
まず、大前提として、競合他社の定義についてのお話です。
競合他社は、自社の中での物差しで定義された企業であったり、単に同じ業界の企業だったりといった目安で安易にリストアップされがちですが、ここでは自社のサービス・商品を購入するお客様が、購入の際に自社と比較検討する企業を競合他社と定義しています。
よって、お客様に直接ヒアリングするもしくはアンケートの様な形で質問することが競合他社の洗い出しの最も近道と言えるでしょう。
この記事シリーズの第二回『自社のお客様を理解しよう』に記載した工程の中で、お客様に購入の際に比較検討した企業を聞いておくと、次の工程にスムーズに移行できるでしょう。
あくまでも顧客目線で競合他社を定義してから以下の項目をチェックしていきます。
定量・定性面で競合企業の概観を理解する
競合企業を定義したらまず、それら競合企業の概観を捉えていきます。
具体的には、定量的な数値と定性的な要素を競合他社毎に洗い出して表にまとめていきます。
競合分析でまとめる定量的な要素
代表的な定量的要素としては、以下の様な項目が挙げられます。
- 競合企業の財務的な数値
- 売上
- 営業利益
- 経常利益
- PAT
- BSの規模など
- 従業員数
- 設立年
- 資本金の金額など
以上は代表的な定量的要素ですが、企業としての概観を把握するために収集できる数値はなるべく細かくまとめる様に努めましょう。
競合企業が上場していればそれらの数値は容易に取得できるのですが、非上場の場合は取得が困難なものもありますので、ネットから取れる範囲のもので可能な限り情報を集めたり、興信所などから情報を取り寄せられる場合は取り付けてまとめましょう。
こうした数値的な要素をまとめておくと次の定性的な要素を考察する際の解像度が上がります。
競合分析でまとめる定性的な要素
定性的な要素は端的に、競合企業の「強み」と「弱み」に関する要素です。
最も役立つ情報として、自社のお客様が購入検討時に競合他社について抱いた印象が挙げられます。インタビュー時に必ずヒアリングを行いましょう。どういった点が魅力的に映ったか、どの様な点がマイナスだったのかなど、顧客目線の定性的な情報を集める様にしましょう。
次に、インタビュー内容を定量的な要素でまとめた数値的なデータと結びつけて考察してみましょう。競合企業の規模が大きければ商品の機能が多かったり、サービスのカバー範囲が広いことが強みとして定義できるかもしれません。一方で、カスタマーサポートの質が悪かったり、大企業ならではの意思決定が遅かったりと弱みが見えてくるケースも多いです。
また、同時に競合他社のホームページを見て、どの様な要素をアピールポイントとしているのかを考察していきます。場合によってはパンフレットなどをPDF形式でダウンロードできる会社もあるので取得できる情報は全て収集し、どの様な差別化ポイントをアピールしているのか分析していきましょう。
競合企業のマーケティング戦略、施策を分析する
最後に、少し専門的な話になるのですが、競合他社がホームページ上(SNSも含む)で行っているマーケティング戦略、施策を分析していきます。
具体的な項目としては以下の様なものが挙げられます。
- ゴール設定(コンバージョン設定)
- 現在のアクセス分析
- ホームページへの訪問数
- アクセスしているデバイスの種類
- 滞在時間
- 流入チャネル
- 検索キーワード
- ホームページの内部施策
- タイトルや説明文など自然検索に関わる要素
- キーワード設定
- SEOの観点からの評点
- 特徴的なコンテンツやホームページの強み
これらの観点から、競合他社毎にホームページ上の施策を洗い出していきます。
もちろん同じメッシュで自社の現在のホームページに関するチェックも行い、それをエクセルシートやGoogleのスプレッドシートにまとめていきます。
各項目を評価の高いものと低いもので色分けしていくと、競合他社に比べて自社がどういったところに強みを持っているのかや、他社よりも多くのお客様に選ばれるためにはどの様なポイントに力を入れれば良いかが可視化されます。
こういった競合他社を知るための分析資料は、一度作成し、定期的にアップデートしていくと自社が行った施策の競合他社に比べた効果が可視化できる様になり、社内のモチベーションアップにも使える有用なツールです。
是非、作成の上、運用していくことをオススメします。
ホームページリニュアールにあたっての戦略の立て方③ 〜自社の競合他社を理解しよう〜、まとめ
今回は、自社の競合他社を理解するためのプロセス・手法についてご紹介しました。
やはりここでも、お客様目線が最も重要になってきます。ある程度競合他社が絞れたら、様々な角度から競合他社と自社を比較し、可視化することで、相対的な強み・弱みが浮き彫りになり、今後の方向性を検討する良い材料となるでしょう。
この様な工程を経ることでお客様にとって分かりやすい、選びやすいホームページにリニューアルすることが可能になります。
次回は、本シリーズ最後の『自社の戦略の質を上げる』ステップを解説していきたいと思います。