皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。
今回は、ホームページリニューアルに際しての戦略の立て方シリーズの最後の記事になります。自社の戦略の質を上げようというテーマで解説していこうと思います。
第一回、第二回、第三回の記事は以下のリンクから飛べます。
自社、自社のお客様、競合他社を理解したあとは、それらの情報を使って戦略を構築していきます。ただし、ここで直ぐに戦略を確定させたり、戦略の実施に移行するのはあまり得策とは言えません。
スタート時点の戦略立案の段階だからこそ、その戦略の質を高めるためにもう一工程入れることをオススメしています。
今回は、戦略立案の段階でどのように戦略の質を高めていくかについて、ポイントを解説していきたいと思います。
目次
戦略の質を高めるために必要なこと
お客様の抱えている悩み・課題の仮説を定義する
まず、最初に自社の情報、自社のお客様の情報、自社の競合他社の情報を整理し、可視化したものを使って、“結局お客様はどのような課題を持っているのか?”という点についての答えを定義していきます。
インタビューを通して、お客様から直接意見を聴取したからといって、お客様が自分自身の悩みを明確に把握しているとは限りません。本人も気づいていない悩みや不便さを漠然とした物差しで選んだ商品・サービスで解決しているケースは山のように存在します。
サービス提供者側は、その事実を理解した上で分析に当たらなくてはなりません。
このステップでは、お客様から聴取したインタビュー内容や、競合他社が提供しているサービス内容、ホームページで打ち出している強みなど、様々なデータを総合的に分析し、お客様が真に抱えているであろう悩みや課題を定義し明文化していきます。
自社の商品・サービスがどの様に悩み・課題を解決するのか、仮説を定義する
お客様の悩み・課題の仮説を定義できたら、次は自社の商品・サービスの何がお客様の悩み・課題を解決しているのかを考察していきます。
仮説を立てる上で以下の4つのステップを意識すると整理しやすいのでご紹介します。
- お客様の属性
- お客様の抱える課題は何か?
- 自社の商品・サービスがどの様に課題を解決しているのか?
- お客様に検証すべきポイントの洗い出し
お客様の属性は、第3回の『競合他社を理解する』の回で解説した属性に関する項目と同じものです。ToB、ToCに関わらずお客様の属性によって求める価値は変わるものなので、まずは自社のメインターゲットとするお客様の属性を定義しましょう。
次に前のステップで定義した、お客様の抱える課題は何かをお客様の属性を考慮しながらもう一度見直してみましょう。
その後に自社の商品・サービスがどの様に課題を解決しているのかの考察に移ります。
自社の商品やサービスに関して、どのような点を売りとしているのか、自社内で定義するのは簡単ですが、お客様はその売りとは別のポイントを価値として感じているケースも多く存在します。
自社の中だけで定義した売りポイントなどは一旦置いておいて、今まで収集したデータから、もしかしたら自社の商品・サービスのこんなポイントに最も価値を感じてくれているんじゃないか?といった仮説を立ててみましょう。
この仮説は何も、機能やこだわりの原料など明確なものだけではなく、お客様の持つ印象でも大丈夫です。例えば当社のクライアントの食品製造会社には『昔実家で使っていた調味料に味が近くて、母の味を思い出します』といった意見が多く寄せられています。この様なお客様が商品にもつ印象も立派な提供価値の一つです。
最後に、次のステップにも関連するのですが、お客様に再度検証すべきポイントもこの段階で洗い出しを行いましょう。
こちらのステップでも、立てた仮説は必ず明文化して残しておきましょう。
上記2つの仮説をお客様にインタビューで確認する
最後に「お客様の抱えている悩みや課題の仮説」「自社の提供している商品・サービスの何が悩みや課題を解決しているかの仮説」、この2つの仮説をお客様に直接インタビューを通して確認する機会を設けます。
具体的なインタビュー項目としては以下の様なものが挙げられます。
- 現状の利用方法
- そもそもなぜ商品・サービスを利用しているのか
- なぜ商品・サービスを使い続けているのか
- 実際にどんな使い方をしているのか
- 利用を始めたきっかけ
- 現状の商品・サービスに対する不満なポイント
- 商品・サービスの使用中に感じる面倒臭いこと
- 非効率なこと
- 不満、苦痛を感じること
- 現状の商品・サービスに関する金額と満足度のバランス
これらの項目の中に前のステップで定義した再度検証すべき項目も盛り込んでいきます。これら全ての項目で「質問する」→「その回答をさらに掘り下げる」→「確認する」→「話の中から質問を見つける」をサイクルを回す様に意識しましょう。
また、これらのインタビュー中のお客様の『非言語コミュニケーション』にも着目しましょう。質問を受ける側としては、どの様な方法を取っても事業者側への配慮から正直な回答を出来ないことがあります。その際は答え方の仕草や、表情からそれを読み取ることが求められます。
最後に、インタビューで得たお客様の回答をチーム内で検証し、仮説の正誤を議論していきます。こうしたプロセスを経ることによって、お客様の持つ課題、それに対して自社が提供できている価値、他社が提供できていない価値の定義の質が格段に上がります。これだけで戦略として機能するはずです。
また、このレベルで戦略の質を高めることができればホームページのリニューアルなどで訴求するポイントも自然と明確になっているはずです。
これからホームページのリニューアルを検討される担当者の方は是非参考にしてみてください。
ホームページリニュアールにあたっての戦略の立て方④ 〜自社の戦略の質を上げよう〜、まとめ
今回の記事を含め4回にわたってホームページリニューアルにあたっての戦略の立て方について解説していきました。
これらのプロセスは自社内だけで完結できないことも多く、とても面倒臭い工程ではありますが、このプロセスを経て構築した戦略はホームページリニューアルだけでなく、その後の様々な企業活動の役に立ちます。
最終的には、自社の売上向上に繋がるような本質的な活動ですので是非参考にしてみてください。