皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。
もっと自社のWebサイトからの売り上げを上げたい、自分が運営しているWebサイトへの訪問数を上げたい、そんなお悩みを持っている方は少なくないと思います。
Webでの集客力を向上する為には、WebサイトだけではなくランディングページやSNSなど多面的な施策を実施しなければなりません。
ただし、そのどれもに共通して行うべきことが『顧客を知る』ことです。
今回は、Webからの集客力を上げたいとお考えの方向けに、自社もしくは自分のWebサイトに訪問しているユーザーの特徴をより詳細に知ることができるツールをご紹介しようと思います。
私が色々なユーザー分析ツールを使ってみて、使い勝手の良かったサービスを厳選しています。無料で且つ使い勝手もよく、私も実際に仕事で使っているツールですので是非ご参考まで。
目次
webサイトへの集客に活かせるユーザー分析DMPとは
まずは、基礎的な知識として、DMPとは何か説明したいと思います。
DMPとは、『インターネット上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォーム』のことを指します。DMPとは「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」の略です。
一番有名な無料で使えるDMPは、Google Analyticsでしょう。Google AnalyticsをWebサイトに埋め込むことで、自社Webサイトに訪れた人の性別、年齢、地域、興味関心、訪問日時など、様々なデータを取得できる様になります。
DMPの種類とできること
DMPは、大きく2種類に大別出来ます。
1つ目が、オープンDMP。こちらは様々なデータ提供企業が保有している「Webサイト行動履歴」や「年齢・性別などの属性情報」などのデータを蓄積・管理するプラットフォームのことです。自社だけでは把握できない様々な情報や属性を取得することができるのがメリットの一つです。
2つ目が、プライベートDMP。自社独自で保有している購買履歴や行動履歴、興味関心、部署などのマーケティングデータと外部のデータを組み合わせて蓄積・管理をするプラットフォームのことです。
これら2種類のDMPを活用することで、お問い合わせフォームで離脱したユーザだけをターゲットにした広告配信をしたり、過去に商品を購入したユーザからのリピート購入を狙ったキャンペーンメールを配信したりと、ユーザそれぞれに合ったマーケティング施策の実施が可能になります。
ユーザー分析DMPとは
今回ご紹介するユーザー分析DMPとはDMPの中でも特に自社Webサイトに訪問しているユーザーの特徴を収集・分析してくれるツールになります。
Google Analyticsなどを活用してマーケティングを行なっていると、どうしてもユーザーのことをもっと細かく分析したいという場面に遭遇します。その際にユーザー分析DMPを活用していると、より解像度を高めたユーザー分析が可能になります。
こちらを活用することで、1つは、自社に興味を持っているユーザーのイメージを持ちやすくなり、結果として、様々なマーケティング施策の方針が検討しやすくなります。
もう一つのメリットとして、社内説明や承認をとる際に、具体的なユーザー像を提示できたり、施策の結果をデータに基づいて提示できるので説得力のある説明が可能になります。
Web集客を強化する、社内でコンセンサスを取りたいという場面では是非活用したツールの一つです。
webサイトへの集客の為に使っている無料ユーザー分析DMP3選
それでは、ここから私が実際に使っている無料で使えるユーザー分析DMPを3つご紹介したいと思います。
1つ目は『Juicer(ジューサー)』
2つ目は『Ptengine(ピーティーエンジン)』
3つ目は『Mouseflow(マウスフロー)』
この3つです。それぞれの特徴について説明していきます。
「Juicer」とは
Juicerは、無料のユーザー分析DMPの中でもビジュアライズに強みを持ったツールになります。具体的には、自分のWebサイトに訪れている訪問者のデータを分析しAIによって代表的なペルソナ像を生成してくれたり、商品購入までのステップ(認知、興味・関心、検討など)の中でどれだけのユーザーがどの段階にいるか等をわかりやすくチャートで示してくれます。
Juicerで確認できる主なユーザーデータを下記します。
推定ユーザー像
こちらのスクリーンショットの様に、Webサイトに訪問してきたユーザーのデータから主要な訪問ユーザーをAIが生成してくれます。
ユーザーの熱量
ユーザーの熱量では、訪問ユーザーがWebサイト上で設定したゴールまでの間でどのフェーズにいるかを可視化してくれます。具体的には「認知」「興味・関心」「検討中」「ホットリード」「コンバージョン」の5段階で、コンバージョンがゴールを意味しています。
すべてのユーザー
すべてのユーザーは、訪れたユーザー一人一人にIDが振られており、個別に訪問回数と訪問したページを確認できます。
アクセス企業
アクセス企業は、Webサイトにアクセスしてきたユーザーが所属している会社になります。
Juicerを使ったWeb集客施策
Juicerは、私がWeb集客施策を検討する際に一番使っているツールです。
推定ユーザー像は上記の通りAIが具体的な画像を示してペルソナ設定を助けてくれます。自社の強みを一番届けたいユーザーと、この推定ユーザー像に大筋でズレがないかを定期的に確認することでブレのないWeb集客施策を実施できます。
ユーザーの熱量は、どの程度の人数が自社商品・サービスに興味を持っているかが視覚化されているので、様々な施策を実施した後に、その施策がユーザーに効果的に届いていたかを数値変化で確認しています。
すべてのユーザーは、個人の訪問回数を見て、多い人がどのページを訪問したかをチェックしています。これにより、熱量の高いユーザーがどのページに興味を持っているかを確認します。明らかに多くのユーザーの興味を引いているページを発見できたらそこを更に強化する、というサイクルを回すといいでしょう。
アクセス企業は、参考程度に見る程度です。
「Ptengine」とは
Ptengineは、ユーザーがWebサイトのどのコンテンツに興味を持っているかを把握するのに強みを持ったツールになります。具体的には『ヒートマップ』と呼ばれる機能が搭載されていて、Webサイトに訪問したユーザーがどの部分をクリックしたか、またWebサイトをどの程度スクロールして下の方まで見たか、などのデータを視覚化して表示してくれます。
Ptengineで確認できる主なユーザーデータを下記します。
ヒートマップ ー クリック
ヒートマップのクリック表示機能は、こちらの写真の様に、どのリンクが押されているかを色で表示してくれます。Webサイトを訪問したユーザーがどの項目に興味を惹かれているかが可視化されます。
ヒートマップ ー アテンション
ヒートマップのアテンション表示機能は、ページの中で注目度の高い箇所を写真の様に色分けしてくれます。赤い部分ほどよく見られていて、青い部分ほど読み飛ばされていることを意味しています。
ヒートマップ ー スクロール率
こちら写真を用意できなかったのですが、Webサイトに訪問したユーザー数の内、何パーセントがどこまでスクロールしたかが可視化されます。
Ptengineを使ったWeb集客施策
Ptengineは特に、ユーザーの興味を明確化したいときに用いるツールです。
ヒートマップのクリック表示機能を用いて、どのコンテンツがユーザーの興味を惹いているのかを明確化します。
Web上の施策としては、クリック数が多いコンテンツをなるべくWebページの上部に設定し直します。こうすることでユーザーが途中で離脱してしまうことを防ぎます。また、クリック数が高いコンテンツの質をより厚くします。ユーザーがより知りたいであろう情報を載せたり、ゴールへの導線を多く設定するなどの施策を打っていきます。
ヒートマップのアテンション表示機能はクリックまで行かなくとも注目されいるコンテンツを判別するのに使います。これも上述同様に、ページの中くらい、または下部にあるコンテンツで注目されてる箇所があれば出来るだけ上部に持ってくる様にしています。
最後のスクロール率は、訪れたユーザーがどの程度までスクロールしてWebページを見ているかの確認に使います。どのWebサイトでもそうなのですが、半数以上のユーザーはWebページの中間程度でページを離脱してしまいます。このツールを使うことでそれを数値として確認できるでしょう。
このPtengineは、特に社内説明やクライアントに説明するときに効果的です。Webサイトのリニューアルやコンテンツ制作の際に、こうした可視化されたデータがあると、見られていないページやコンテンツに時間やお金、労力をかけるといった無駄を防ぐことが可能になります。
「Mouseflow」とは
Mouseflowは、Webサイトに訪問したユーザー一人一人の操作画面を動画で見ることができるツールです。具体的には『レコーディング』と呼ばれる機能が搭載されていて、Webサイトに訪問したユーザーが操作する画面が動画として記録され、それを後から確認することができる機能となります。
Mouseflowで確認できる主なユーザーデータを下記します。
レコーディング
レコーディングページで、どの地域に住むユーザーか、どのページからWebサイトに訪問したか、どのページを見たか、ページを見たときにフラストレーションを感じたか、ページの滞在時間、デバイスなどの情報が取れます。
レコーディング ー 動画画面
この様にユーザーが使ったデバイスが表示され、再生ボタンを押すとどの様にスクロールして、どの部分で止まって注意深く見ているか、などユーザーが実際に操作した画面を動画データとして閲覧できます。
Mouseflowを使ったWeb集客施策
こちらは、特にWebサイトで商品を購入してくれたユーザーや、問い合わせをしてくれたユーザーを特定して、その人たちがどの様な行動をとったかを明確化したいときに使っています。これを行うことで、どのコンテンツがユーザーの購買行動に影響を及ぼしたかなどの気づきを得ることができます。
また、フラストレーションを感じているユーザーの動画が見られるので、どの部分を改善すれば良いかの気づきになります。実際にあった例として、ブログ記事の中に貼ってあるリンクが切れてしまっており、フラストレーションを感じていたことがこのツールのおかげで発見でき、改善できました。
webサイトへの集客に繋げるユーザー分析DMP導入のポイント
簡単にですが、私が実際に使っているユーザー分析DMPについて説明させていただきました。
ポイントを纏めますと、
『Juicer』を使って、Webサイトに訪れている人の解像度をあげる、又実施した施策などがユーザーに効果的に影響したか否かを確認する。
『Ptengine』を使って、Webサイトの中で実際に見られている箇所を特定し、Web施策の改善に濃淡をつける。
『Mouseflow』を使って、売り上げなどに繋がったユーザーの個別の操作画面を確認しより良い改善に繋げる。又、使い勝手の悪い箇所を特定し改善に繋げる。
これらの施策を地道に積み上げていくことで、顧客の期待にドンピシャで答えられるWebサイトに進化していくことでしょう。
Web集客、Web戦略と言っても中身はこの様に地味な改善の積み重ねです。その際に重要なのは改善しやすいWebサイトの作りにしているかどうか、その上でPDCAを継続して回す体制を敷けているかどうかだと思います。