webマーケティング手法の一つ『バリュープロポジション』戦略とは?

Web集客力を高める『バリュープロポジション』戦略とは?サムネイル

皆さんこんにちは、エンドルフィンズ代表の田上です。

今回は、webマーケティング施策で集客力を高めたいと思われている方や、これからwebサイトを制作・リニューアルする際に合わせてwebマーケティング施策に関する戦略を描きたいという方を対象に、

自社の独自性を定義することで、他社と競争をせずに独自のスタンスを確立するマーケティング施策の一つ、『バリュープロポジション戦略』についてご紹介します。

目次

バリュープロポジション戦略を導入する狙い

競技場のトラックの写真

「バリュープロポジションとは何か?」を説明する前に、このマーケティング戦略を導入するとどの様な効果が見込めるのかを先に説明したいと思います。

バリュープロポジション戦略がうまく軌道にのると、下記のような効果を狙うことが可能です。

  • 価格競争からの脱却
  • 顧客が離れにくい
  • ブランディングによる潜在顧客へのアプローチ
  • 集客・売上の安定
一つ一つ解説していきます。

価格競争からの脱却

自社のビジネス領域内で独自のポジションを確立すれば、競合他社との価格競争から脱却することができます。

『この分野ならこの会社』と潜在顧客にイメージを植え付けることができれば、ユーザーがサービスを購入しようと考えた時にまず初めに自社のサービスを思い出してくれるようになります。こういったユーザーの「第一想起を狙う」戦略は、価格競争に陥りにくいというメリットがあります。

さらには、仮に商品・サービスの価格が他より高かったとしても、ユーザーから選んでもらえる可能性が高くなります。

逆に独自のポジションを確立できていないと、ユーザーには「似たような商品・サービスの1つ」「選ぶ決め手に欠けるサービス」と認識されてしまい、選ばれにくくなってしまいます。

そうなると最終的に価格で勝負するしかなくなり、資本力が低い事業体は生き残るのが難しくなってしまうでしょう。

顧客が離れにくい

業界内におけるナンバーワン・オンリーワンの存在は、ユーザーのファン心理をくすぐります。

一度独自のポジションを確立することができれば、ユーザーが「ここの商品が欲しい」と“指名買い”をしてくれる様になります。

指名買いであれば、商品・サービスの購入前の顧客の理解度が高まり購入後との期待値のギャップが生じにくく、総じて満足度が高くなる傾向にあります。

また、そこからの紹介といった連鎖的な集客の効果も見込めます。

ブランディングによる潜在顧客へのアプローチ

業界ナンバーワン・オンリーワンという肩書きは、潜在顧客に『○○に強い=自社』といったブランドイメージを抱かせることが可能です。

例えば、全体的に高機能の掃除機を作っていた日本のメーカーに対し、『吸引力が変わらない掃除機』というブランドを打ち立てたダイソン社の掃除機は、生活の中で掃除機の吸引力に不満を持つ層から圧倒的な支持を得ました。

この様に自社の強みや独自性を定義し、業界ナンバーワン・オンリーワンというポジショニングをアピールできると、潜在顧客にブランドとして認識され、購買行動を起こす際に最初から自社を検討する、「第一想起」のポジションを確立できます。

集客・売上の安定

ここまで解説してきたメリットを踏まえれば、バリュープロポジション戦略が成功すると自社の集客・売上が安定することが想像できるかと思います。

指名買いを続けてくれるユーザーを一定数獲得できる上、価格競争にも巻き込まれず、潜在顧客は自社の独自性やブランドに価値を見出しているので、もし商品・サービスの価格が相場より高く設定されていても、しっかり集客し、売上を伸ばしていける事業環境を構築することが可能になります。

安定した集客・売上が確保でき、より大きな投資が可能になるといったプラスのサイクルが回り始めるのです。

webマーケ手法の一つ、バリュープロポジションとは

ポイント

さて、ここからバリュープロポジションの説明をしていきます。

バリュープロポジションとは、『自社が提供している価値』『ユーザーが望んでいる価値』が合致し、なおかつ『他社には提供できていない価値』のことを指します。

詳細は下の図をご参照ください。

バリュープロポジションに関する図解

まずは顧客のニーズを知ること

バリュープロポジションの定義にあたって、先ずは「顧客のニーズ」から明確化していきましょう。

こちらは、既に取引先をお持ちの方はその方達に直接インタビューを行うことをオススメしています。とても面倒な工程ですが、実際に自社を選んでくれた人に直接話を聞くのがやはり一番気づきが多く確実性が高いです。

こうした面倒臭いことを地道に行う企業は意外と多くありません。よって、こうしたヒアリングを定期的に行うことによって競合他社との差をつけられるというのはあると思います。

実際にインタビューを行う際には、特に以下の点をクリアにすると良いでしょう。

  • 『何を解決したくて自社サービスを選んだのか』
  • 『自社サービスの何に価値を感じて選んでくれたのか』
  • 『自社の提供価値で良いと思っている点』
  • 『他社と比較・検討した際に重視したポイント』

こうした点を明確化し、自社の商品・サービスが既に満たしていると思われる顧客のニーズを言語化していきましょう。

新規事業などまだ取引先をお持ちでない方は、顧客のペルソナ像を作ってみましょう。また、新規商品・サービスのプロトタイプを作って、ペルソナ像に近いユーザーにヒアリングしてみましょう。

プロトタイプを使ってみての感想、困っていることを解決できるかなどの観点でヒアリングを行い、顧客のニーズを明確化していきましょう。

私がクライアントへバリュープロポジション戦略を提供する際には、これらに加えてマクロ的な『市場分析』も行なった上で、潜在顧客のニーズを定義していくこととしています。

競合他社の提供価値を知ること

次に競合他社の定義です。

競合他社の強み、弱み、特徴などあらゆる観点から調べてみましょう。

例えば、競合他社として位置付けている会社の規模が大きい場合、強みは『カバー範囲の広いサービスと質』が考えられるでしょう。一方で『決裁スピードが遅い』『担当者がすぐ変わる』『価格が高い』などの弱みも考えられます。

こうした競合他社に対するユーザーの不満が自社のパリュープロポジションに繋がるケースも多いので、『顧客を知る』プロセスで競合他社の印象をヒアリングしてしまうのも一つの手です。

また、少しwebマーケティングの専門的な話になってしまいますが、「競合他社が実施しているマーケティング手法を可視化する」というのはとても効果的です。競合他社も日々売上を伸ばそうと必死に施策を打っています。例えばその中に広告出稿があった場合、その広告には競合他社が強みとしている点が強調されているはずです。

競合他社が強みと謳っているポイントを収集し、言語化することで、自社の強みを比較・検討しやすくなります。

少し蛇足になるのですが、よくクライアントから『自社に競合他社と比べての優位性や独自性なんてないよ』といった話しを伺います。そういった場合には『地域』という観点を取り入れることで意外とブレイクスルーが起こりやすかったりします。

例えば『○○区で一番○○』という考え方です。あえて範囲を地域で縛ることによって、この地域の中で一番になれそうなものはないか?という視点でものを考えられるようになります。

この様に様々なメッシュ、角度から競合他社の提供価値を調べてみましょう。

自社の強みを知ること

最後に自社の強みを知ることです。

『顧客を知る』『競合他社を知る』のステップで大体の道筋は見えてきたと思いますが、ここでもやはり既に自社に価値を感じている顧客にヒアリングすべきかと思います。

自社の中でも強みの議論はすべきですが、自社が思う強みと顧客から見たときの強みは、大抵の場合ズレています。

自社での強みを定義した後に、既存の顧客やペルソナ像に近いターゲットユーザーにヒアリングを行なってみましょう。

私がクライアントへバリュープロポジション戦略を提供する際には、これらに加え『SWOT分析』や『VRIO分析』などを行なった上で、自社の強みを定義していきます。

具体的なバリュープロポジションの例

簡単にweb制作会社が自社のバリュープロポジションを設定する際のプロセスを例示してみたいと思います。

顧客ニーズの確認:

主な顧客は、webサイトのリニューアルを検討している経営者・担当者の方が多く、ヒアリングの結果『webサイトの制作・リニューアルを検討したいが、せっかくならwebマーケティングの観点から集客力が強いwebサイトを制作したい。一方で、社内にweb制作やwebマーケティングの専門知識を持った人がおらず、webマーケティングの戦略策定とwebサイトの制作をパッケージでお願いできる先がないか検索したところ自社に行き着いた』という人が多かったということが分かりました。

競合他社を知る:

web制作会社は日本に無数に存在するため、自社の本社がある区に絞って競合他社をピックアップすることにした。

その結果、その区では、確りとしたサービス内容をwebサイト上で開示している企業が少なく、その中でもwebマーケティングの戦略から支援している会社は1社しかなかった。その会社もブログやホワイトペーパーを使って積極的に情報開示はしておらず、顧客から見た時に意思決定に足る情報は発信していないという特徴があった。

自社の強みの定義:

自社の強みは、顧客のヒアリングにもあった、webマーケティング戦略の構築から支援できる『webマーケティングコンサル型のwebサイト制作企業』だと定義。

バリュープロポジションの定義:

結果、この企業のバリュープロポジションは『○○区で最もwebマーケティングに強いweb制作企業』と定義した。

簡単な例でしたが、この様な流れでバリュープロポジション戦略を立てていきます。

ポジショニングメディアでマーケットリーダーを目指す

東京の町並みに向かって胸を張る男性

自社独自のポジショニングを活かした『資産積み上げ型』のwebマーケティング施策

バリュープロポジションの定義が完了したら、次にオススメするマーケティング施策は『ポジショニングメディア』の作成になります。

簡単に言い換えると、自社のバリュープロポジションの観点から、顧客に有益な情報を発信するブログメディアの様なものを立ち上げるということです。

ポジショニングメディアは、以下の記事でご紹介した『積み上げ型の資産』になりますので、基本的には自社のリソースだけで運用でき、ある程度軌道に乗った後はそのメディアが自動的に集客をしてくれます。

自社のノウハウを公開しよう

ポジショニングメディアには、自社の持つノウハウを惜しみなく公開しましょう。

もちろん、『顧客が知りたくて』『競合が価値提供していなくて』『自社の強みが活かせる』トピックで記事を量産する必要があります。

私のクライアントの中には、自社の持つノウハウを公開することに難色を示す方が少なくありませんが、公開したところでそれを丸パクりする様な人はほぼいません。

寧ろ、『こんな有益な情報まで無料で開示してくれるんだ』と思われるレベルの記事を量産することで、企業の信用力が上がり自社の考えに共感してくれるファンが増えていきます。

そしてそのファンが潜在顧客になり、自社のスタンスを理解した上で発注が来るので、発注の質や単価が上がっていきます。

潜在顧客のリストを作ろう

ポジショニングメディアの立ち上げ・運用におけるKPIは、様々な設定方法があると思うのですが、まずは潜在的な顧客リストの数をKPIに設定することをオススメしています。

ポジショニングメディアにお問い合わせのフォーマットを用意したり、お役立ち資料(ホワイトペーパー)などを作りダウンロードする際に連絡先を取得するなどの導線を用意したりすることで、潜在的な顧客のリストを集めましょう。

そのリストに基づいて、新たなブログ記事やホワイトペーパーを作成したらメールを送信するなどの施策をとることで、継続的に潜在顧客へアプローチします。

そうすることで顧客の「第一想起」にあがるようになり、将来の受注の確度が上がっていきます。

webマーケティング施策の一つ『バリュープロポジション』戦略、まとめ

簡単にですが『バリュープロポジション戦略』について説明させていただきました。

『自社が提供している価値』と『ユーザーが望んでいる価値』が合致し、なおかつ『他社が提供できていない価値』を明確化することで、自社独自のポジションを確立することがポイントでした。

自社独自のポジションを確立できると、集客・売上を安定させることができ新たな攻めの投資ができる様なプラスのサイクルが回せるはずです。

webマーケティング施策を強化し、webからの集客力を高めたいという事業者の方は、『バリュープロポジション戦略』の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

エンドルフィンズではwebサイトの制作はもちろん、webマーケティングの戦略構築からお応えできる体制を整えておりますので、お気軽にご相談ください。

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