皆さん、こんにちは。エンドルフィンズ代表の田上です。
今日は、ホームページの“検索のされやすさ“について解説していきたいと思います。
最近はWebに対する関心の高まりからなのか、ホームページのリニューアルのお話を頂くときに「検索のされやすいサイトにしたい」だったり「SEOに強いサイトにしたい」といったご要望を多く頂くようになってきました。
日本では90%以上の人がGoogleの検索エンジンを使っているため、Web上で自社のホームページを見つけてもらいやすくしたいと思ったら、Googleの検索結果画面のより上位に自社のホームページを表示してもらう必要があります。
今日は、そのGoogleの検索エンジンがどのようなロジックで検索結果表示の順位を決めているのか、そんなお話をできればと思います。
目次
Googleの検索画面とは
先ずは初学者のためにも、Googleの検索画面について説明していきたいと思います。
こちらの画像をご覧ください。
この画像は、Googleのホームページで「歯科医院」という検索キーワードで検索した結果の画面になります。
ページの上部には広告料を払っている会社や事業体のホームページが掲載されます。
その下にGoogleマップ上に紐つけられた「歯科医院」の情報が掲載されています。
その下に本記事が対象としている、普通の検索結果が表示されます。(緑色でハイライトされている部分から下です。)
検索キーワードによって検索結果ページの掲載情報や順番はまちまちなのですが、大まかにはこのような構成になっています。
Googleが検索順位を決める仕組み
さて、上の画像のトップの部分をよく見ると「すべて」と書かれたタブの下に「約229,000,000件(0.78秒)」という記述があるのがわかるかと思います。
これは、Googleの検索エンジンが、0.78秒間の間に「歯科医院」という検索キーワードと関連するホームページを約2億サイト見つけたよ、という意味のメッセージになります。
その2億サイトを何らかの手法でランク付けし、0.78秒間の間に1位から順に表示しているのです。
こんな膨大な数のWebサイトを検索キーワードが打ち込まれてから、検索する→評価する→点数順に並べ替える→表示するといったプロセスを経ていては1秒弱の間に検索結果ページを表示することは不可能です。
Googleがこの検索性を実現するために、どのような仕組みを採用しているかという仕組みをざっくりと図にしたのが上の画像です。
Googleは常日頃からGoogle社が開発したプログラムに世界中のホームページを巡回させ、予め様々な評価基準で点数付を行っておいて、Googleのサーバーの中に保管しています。
そうすると、ある特定のキーワードで検索された際に、そのキーワードと関連の高そうな評点を持つホームページの情報を引っ張り出し、点数順に並べ替え、表示するという高速な処理が可能になります。
Googleが公表している評価基準
それでは、Googleが行う評価とはどのような基準で行われているのでしょうか。
Googleの評価基準を把握した上で、その基準に合った施策を打っていけば検索結果ページに上位表示される確率が高まるはず、と誰もがそう思うはずです。
ですが、残念ながらGoogleはその評価基準を明確に開示していません。定かではありませんが、一般的にはその評価基準は200項目を超えると言われています。
明確には開示していないのですが、一応Googleが「検索結果を決める主な要因」という名目で公表している評価基準のエッセンスが以下のホームページにあるのでそちらの要素を一つ一つ解説していきたいと思います。
検索意図の把握
1つ目の項目は「検索意図の把握」です。
こちらを要約するとGoogleの検索アルゴリズムは、かなりの高精度で検索者のニーズを把握しますよ、ということです。
そしてそのニーズを把握する際には、検索キーワード(ページの中の「クエリ」)の中に含まれる単語、および単語の組み合わせを確りと見ていますよ、と言っています。
この「単語」が起点となっていることがポイントです。
ウェブページの関連性
ここでのポイントは3つです。
まずは、検索クエリに含まれるキーワードと同じキーワードがホームページに含まれているかどうかが大事だということです。具体的にはキーワードが登場する頻度、タイトル・見出し・本文などキーワードが記載されている場所、が重要だと言っています。
次に、検索者のニーズに的確に答えるコンテンツ内容になっているか、が大事だと言っています。「犬」と言う検索クエリに対して、ホームページでただ単に犬という単語を書き連ねてもそれは評価されないよと言っています。
最後に、検索クエリとホームページの言語が一致しているかどうか、です。当たり前ですが、日本語で検索されたクエリに対しては、日本語で作られたホームページが検索結果として優先表示されやすいと言っています。
コンテンツの品質
ここでは、Googleが評価する「コンテンツの品質」について語られています。
こちらの項目に書かれているポイントは主に2つで、
1つ目が、コンテンツの新しさ、検索キーワードが出現する回数、ページのユーザーエクスペリエンスの質に着目してますよと言っています。ユーザーエクスペリエンスの質とは、ホームページの内容がタイトル、見出し、本文という読者にとって読みやすい構造になっているか、ページの表示速度が適切か、といった点のことを指しているのだと認識しています。
2つ目は、検索クエリに関連する他の著名なサイトから参照されているかどうか、です。Webマーケの世界では「被リンク」などと呼ばれますが、自分のホームページのURLが他の事業者さんが管理しているホームページに貼られている又は紹介されているか、ということです。一昔前には、悪質な業者がGoogleの検索順位を上げるために、自分で適当なホームページを多数作り、それらのホームページに検索順位を上げたいホームページのリンクを貼ることで検索順位を上げていました。
しかしながら、Googleはそれらの行為を本当に情報を求めているユーザーにとって害となる振る舞いと判断し、しっかりと運用されている質の高いホームページからの被リンクしか評価しないようにアルゴリズムを変更しました。
Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
こちらのガイドラインにもあるように、ユーザーに害を及ぼしたり誤解を与える可能性のあるサイトは検索結果から除外する、という姿勢からもGoogleのコンテンツの品質評価に対するこだわりが見て取れます。
ユーザビリティ
こちらは、とても技術寄りの項目です。
まず一つ目が、レスポンシブ対応です。レスポンシブ対応とは、パソコンやタブレット、スマホなどユーザーの使うデバイスに合わせてホームページの見せ方を変える手法のことを指します。ユーザーがどんなデバイスで見てもホームページが見やすいかどうか、をGoogleは重視しているということです。
次に、ホームページの表示速度に関してです。ホームページの表示速度が3秒遅れると30〜40%のユーザーがホームページから離脱する、というデータがあるくらい表示速度がユーザーに与えるストレスは大きいと言われています。よってGoogleは表示速度が速いサイトの評価を高くすると言っています。
文脈の考慮
最後の文脈の考慮は、一人一人に対する検索性のカスタマイズについて言及されています。
例えば、地理的な情報として、検索者の現在地と関連の深いであろう検索結果を上位表示させたり、過去の検索履歴から現時点での検索結果表示の順位をカスタマイズしたりといった可能性に触れています。
以上の5つの項目から考えると、検索結果ページに自社のホームページを上位表示させたいといった場合に注力すべきポイントが見えてくると思います。
具体的には、
- キーワードの使用頻度
- キーワードの埋め込む場所
- 検索ユーザーに対して本質的に価値のある情報の提供
- なるべく質の高いホームページからの被リンク獲得施策
- レスポンシブ対応や表示速度の改善
この辺りがポイントになってくるかと思います。
評価基準は不定期にアップデートされる
さて、こうしたGoogleの評価基準の話をすると、躍起になってそのアルゴリズムを解読しようとしたり、評価基準を異常に気にしすぎる方が出てくるのですが、実はこの評価基準を追うというのはあまり本質的なことではありません。
なぜかというと、Google社の評価アルゴリズムは日々ブラッシュアップされており、不定期に大型のアップデートがあるため、昨日まで重要とされていたことが今日から評価されない、といったことが起こり得ます。
過去に行われた大型のアップデートに関しては当社のイトマンくんが以下の記事でまとめてくれているので、そちらに譲りたいと思います。
【第2回新米マーケターと一緒に学ぼう】SEO対策って何をするの?基本事項を確認しましょう
この様なアップデートの歴史を知る身からすれば、最も有効な対応策はGoogleの評価基準をつぶさに追うのではなく、ユーザーにとって本当に価値のある情報はなんだろう?を追い求めることが重要だと感じます。
その方針を貫けばアップデートが行われてもGoogleからの評価はさほど変わらないか、むしろ良くなるはず、ということが言えます。
検索されやすいホームページにするためのポイント
とは言っても、テクニカルな部分での施策は重要です。
最後にホームページを上位表示させるために大切だとされているポイントをまとめて締めくくりたいと思います。
コンテンツの質が何より大事
まずは、コンテンツの質の面です。
Webマーケティングの世界では「EAT」などと呼ばれていますが、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとった略語です。
Googleが発行している「search quality evaluator guidelines」にもEATの重要性について数多く言及されています。
専門性(Expertise)
専門性とは、そのホームページやコンテンツが扱っているメインの内容が、詳細かつ専門的な内容になっているかどうかです。
具体的な評価ポイントとしては、
- メインコンテンツのテーマに統一されている
- そのコンテンツを閲覧することで問題に対する解決策を見出せる
- 鮮度の高い情報を得ることができる
- 情報の網羅性が担保されている
などが挙げられます。
ホームページの内容やコンテンツを作成する際には上記のポイントを頭に置きながら考えていきましょう。
権威性(Authoritativeness)
権威性とは、第三者からの評価に関する視点です。
ここでの具体的なポイントは
- 上述した被リンクなど、きちんとしたサイトからの参照を得ているか
- ホームページやそのホームページの事業主体が社会的に認知されているか
- ホームページやそのホームページの事業主体がSNSなどで広く紹介されているか
などが挙げられます。
こちらの項目は自分の努力で如何ともし難い面も多分にありますが、例えばなんらかの講演会に登壇することになったら、共に登壇する人や講演会を主催する団体に対して自社のホームページの被リンクを貼ってもらう様に頼んでみるなどの努力をしてみるのはとても大事な取り組みです。
信頼性(Trustworthiness)
信頼性は、そのホームページの情報がオリジナルの情報かどうかや、運営主体が信頼できるかどうかといった指標です。
具体的なポイントとしては、
- ホームページのコンテンツが他のサイトのコピーではないか
- ホームページを運営している事業主体などの企業情報が明記されているか
- SSL化などのセキュリティ対応がきちんとなされているか
などが挙げられます。
特に、ホームページのコンテンツが他のサイトのコピーではないかなどは、簡単に判別がつくので絶対に行わないようにしましょう。
被リンクの数
被リンクの数は、上述したとおりです。
我々のクライアント様でも、新設サイトなどは当然被リンクが0の状態からスタートします。
こちらの被リンクを増加させることができているクライアント様は地道にコツコツ、メディアに取り上げられたり登壇の度に、リンクを貼ってもらうようにお願いをしています。
Webの施策と言えど、実際に命運を分けるのは現実世界の地道な努力である点は変わらないというのが実感です。
内部リンク
内部リンクとはホームページ内で、関連性の高い別のページのリンクを貼ることを意味します。
こうすることで、ある特定の情報を求めているユーザーにとっての利便性が上がるためGoogleなどの検索エンジンに高評価をもらえる可能性が高まります。
ページスピード
こちらも上述の通り、ユーザービリティに関わる部分です。
自社のページスピードを測ってみたいという方はGoogle社が提供している「Page Speed Insights」というサービスを利用すると簡単に計測することができます。
もしもスコアが低い場合は、ホームページの制作を依頼した会社に連絡してみましょう。
もちろん弊社でもご相談に乗っていますので、お気軽にご連絡ください。
SSL化
SSL化に関しては、以下の記事にまとめているので、是非ご一読ください。
こちらもどうすれば良いのかわからないといった方は、お気軽にご相談ください。
Googleから減点されるような施策はしない
最後に、Google社が出しているガイドラインに抵触しないように気をつけましょう。
悪意を持った事業者でもない限り、あまり抵触することは考えにくいのですが、ガイドラインに抵触してしまうと、検索結果ページ表示されないなど本末転倒な結果になってしまいますし、上述したようにGoogleのアルゴリズムは日々進化しているので、悪事は必ずバレます。
目先の利益を追うのではなく、時間をかけてでも本質的な価値提供をできるように心がけましょう。
まとめ
今回は、Googleの検索アルゴリズムについて解説いたしました。
検索の際の評価基準や、Googleが質が高いとみなすコンテンツの内容など、ホームページを改善するときに知っておくと良い情報が多かったのではないでしょうか。
途中、技術的な観点でのポイントが幾つか出てきたと思いますが、自社のホームページがポイントを満たしているか分からない、といった方は是非お気軽にご連絡ください。