皆さん、こんにちは。エンドルフィンズ代表の田上です。
今日は、LP(ランディングページ)について解説していきたいと思います。
LP(ランディングページ)とは、主にWeb広告をクリックした後に表示される、商品の魅力を謳っているような1枚もののWebサイトのことを指します。飛行機のランディングと同じ意味で、ユーザーが“着地する”ページであるためこのような呼ばれ方がされています。
最近はコロナ禍の影響もあってか、Web施策へと投資を行う事業者様が増えています。そんな中LP(ランディングページ)を使って、自社商品やサービスを効果的に訴求したいというご相談も頂きます。
そこで本日は、LP(ランディングページ)を改訂する際の注意点を、料金相場や訴求内容と共に解説していきたいと思います。
目次
LP(ランディングページ)とは
LP(ランディングページ)とは、前述したように主にWeb広告をクリックした後に表示される、商品の魅力を謳っているような1枚もののWebサイトのことを指します。
時々お客さまに、自社のホームページもあるのにわざわざLPを作る意味は?といったご質問を頂きます。答えはとてもシンプルで、LPの方がお問い合わせ率が高いからです。
お問い合わせ率が高い理由は、LPが商品やサービスの利点をアピールする内容で構築されているためです。
よってLPとは、自社サービスや商品に特化し、強みや魅力をアピールすることでユーザーの購買意欲を掻き立てる役割を負っているWebサイトだということができます。
また、蛇足ですがWebマーケティングの文脈ではLPを広義の意味で使うことがあります。広義のLPとは「ホームページを訪れたユーザーが最初にアクセスしたページ」のことを指します。この場合、自社のホームページの中でもユーザーを集めているページはどこか?といった文脈で使われることが多いです。一応覚えておくと文脈からどちらのことを言っているのかわかると思いますので、紹介させて頂きました。
この記事では、前者のLPについて解説していきます。
LP(ランディングページ)の料金相場
LPの一般的な料金相場について紹介します。
LPをはじめとしたWebサイトの制作は、会社によって料金がバラバラなのですが、私がこの業界で仕事をしてきて感じた大体の相場感を下記いたします。
30万円以下
まずは、30万円以下の料金体系です。
こちらは、個人事業主から小規模のWeb制作会社まで多種多様な事業体がこの価格帯でLPを請け負っていると認識しています。
基本的には、クライアントの要望・構成の通り作成することに重点を置いており、制作会社側からの積極的な提案などは期待できない点に注意しましょう。
制作期間は大凡1ヶ月〜1ヶ月半程度かと思います。
60万円以下
こちらの金額帯からは、制作会社側で複数人がプロジェクトにアサインされるイメージです。
小規模から中規模のWeb制作会社がこの価格帯でLP制作を請け負っています。
ディレクション、デザイナー、コーダーといった複数人のチームで構成され、制作会社によっては戦略の立案や、競合他社のWebマーケティング分析などを行なってくれる会社もあるでしょう。
ただし、この価格帯ではLPを制作した後のアフターフォローまで行なっている制作会社はあまりなく、しっかりとLPを作ってあとは自社で効果検証を行うといった場合に依頼をする価格帯かと思います。
ざっくりとした制作期間は2ヶ月から3ヶ月程度かと思います。
60万円以上
60万円以上の価格帯からは、中堅以上の有名なWeb制作会社も請け負っているイメージです。
戦略策定から、制作、アフターフォローまで、Webマーケティングの知見を用いて効果検証も行いながら伴走型で改良を加えていくスタイルが多い気がします。
ある程度潤沢な予算があり、広告の運用とともに効果検証を行いながら成果を上げていきたいと思われている事業者の方はこの価格帯のWeb制作会社を検討してみると良いかと思います。
制作期間としては3ヶ月〜といった印象です。
LP(ランディングページ)制作工程
ここからは、LPの制作工程について解説したいと思います。
こちらの工程は、弊社で一般的に提供している内容なのですが、もしかしたら上述の価格帯では60万円以上のレイヤーに該当する内容かもしれません。30万円以下ですとこの中のデザイン、コーディング、公開だけの工程であったり、60万円以下ですと公開後の効果検証がなかったりと、価格帯によって実施される工程が削られていくようなイメージでいると分かりやすいかと思います。
以下の工程は、しっかりとLPを作り込むケースでの制作工程とご認識ください。
競合他社のWebマーケティング分析
まずは、競合他社のWebマーケティング分析から着手します。
LPが広告とセットで運用される性質があるため、競合他社がどの様なWebマーケティング施策を展開しているかを調査することは必須の工程だと認識しています。
この工程では、主に競合他社が有料広告を出稿しているか、出稿しているとしたらLPでどの様な強みや魅力を謳っているのかをチェックします。
基本的に、これら競合調査を行いなるべく他社と違う強みを訴求できないかと考えていきます。いわゆる差別化です。競合他社と同じ土俵で戦ったとしても結局は価格競争になったり、広告費が高騰してしまったりとあまり良くない結末になることが多く、競争をせずに自社の強みを訴求できるLPにするには?ということを意識しつつ調査・分析を行なっていきます。
コンテンツ構成
調査・分析の内容に基づいてコンテンツの構成を考えていきます。
LP制作工程の中ではこの工程が最も重要度が高いといっても過言ではないと思います。
こちらのコンテンツ構成、商品やサービスの強みを訴求する方法については後の項で詳しく述べたいと思います。
デザイン
次がデザインです。
コンテンツ構成に応じて、ユーザーに訴求したいポイントに目がいくようなデザインを作成していきます。
やはり腕の良いデザイナーさんであるほど、デザインはその辺りの行動心理学的知見を活かしたものを作ってくれる傾向にあります。LPの制作費の振れ幅は、実は目に見えないこうしたスキルの差であったりします。
また、見た目がかっこいいだけがデザインではなく、どうすればコンバージョン率が上がるのかといったデータが様々なWebマーケティング企業から公表されているので、そういったデータに基づいた知見をしっかりとデザインに落とし込むことが重要だと考えています。
コーディング
デザイン案をコーディングしていきます。
昨今のインターネットを利用するユーザーはスマホの割合も多いので、「レスポンシブデザイン」と呼ばれるスマホでも見やすくする技術を用いてコーディングしていきます。
公開
最後にLPを本番環境のサーバーにデプロイ(アップロード)して公開すれば制作の工程は完了です。
Webコンサルティング(効果検証)
アフターフォローまで対応してくれる制作会社は、LP公開後の効果検証も任せることが可能です。
広告からLPにユーザーが流入し、その内何%がコンバージョンまで辿り着いたか、更にはお問い合わせ後の成約率から、広告の費用対効果を計測してくれ、改善提案をしてくれます。
こうしたLP制作工程の全体像を把握した上で、自社の課題を勘案し、予算をどれくらい確保するか、制作会社にどこまで頼むのか、どの工程を自社で内製化するのか、といった検討を行うと建設的な議論が可能になると思います。
LP(ランディングページ)改訂時の大切なポイント
LPは前述の通り、そのコンテンツ構成がとても重要になってきます。
要は自社サービスや商品の価値を効果的に訴求できているかという点がとても重要になってきます。
こちらが上手くできていないと、LPに流入してきてもコンバージョンに繋がらなかったり、ターゲットユーザー以外のユーザーの流入が増えてしまったりと、期待した結果が得られないケースになりかねません。
以下は、LPを改定する際におすすめしているコンテンツ構成のフレームワークの一例になります。
自社のサービス・商品が選ばれるロジック
弊社でクライアントのコンテンツ構成を考える上で用いているロジック組成のステップを下記いたします。
ステップは全部で7つで、
- 問題提起
- 原因の提示
- 解決策とベネフィット
- 解決策としてのサービス紹介
- 信頼性の向上
- 安心感の醸成
- アクションを促す
一つ一つ説明していきます。
問題提起
まずは問題提起です。
自社のサービスや商品を選んでくれている顧客やユーザーは何に困った末に自社のサービスに行き着いたのか?を明文化していきます。
例えば弊社はサービスが選ばれているロジックとして「戦略から相談できるWeb制作会社がいない、という企業の課題を解決する」と定義しており、問題提起は「Web制作会社で、BtoBマーケティングの戦略から相談できる会社がなかなかいないですよね?」という弊社クライアントの共通の悩みを明文化しています。
原因の提示
次にその問題提起の背景にある原因を提示してあげます。
弊社の場合は「社内にBtoBマーケの知見がない/Web制作会社は制作のみでマーケティング戦略まで相談ができない/Web制作会社は受け身で提案をしてくれない」といった原因を明文化しています。
弊社にはWebサイトのリニューアルの依頼も多く寄せられるのですが、「Web制作会社が提案をしてくれない」「集客施策を相談できない」といった共通の不満を持っており、リニューアルを機に新たな制作会社を探して弊社に行き着いたという事業者さまが驚くほど多いです。
これらの実際に弊社クライアントに直接ヒアリングしてあぶり出した共通項を明文化する形で策定していきました。
解決策とベネフィット
次がそうした原因への解決策の提示です。
この時、解決策の提示と共にクライアントが享受できるであろうベネフィットを想像できる文言だとなお良いです。
弊社では「弊社は、BtoBマーケティングの戦略立案からWeb制作まで請け負える提案型のWeb制作会社です」という文言にしています。
戦略立案から相談できるんだ、提案をしてくれるんだ、というベネフィットをイメージできる内容になるように心がけて作成しています。
解決策としてのサービス紹介
次が、サービスの紹介です。
ここでは解決策の具体性や解像度を上げる要素を盛り込みながら、自社が提供しているサービスのコアバリューを明文化していきましょう。
弊社では、「多くのBtoB企業のアクセスデータを分析/独自のフレームワークやチェックリストで再現性や質を担保/戦略から施策の実行支援まで」という文言にしています。
過去取り組み案件で蓄積しているデータや知見に基づいてサービス提供することや、フレームワークを作成し再現性を高めている点が、当社が提供しているサービスのコアバリューです。それを端的に、平易な言葉で表現しています。
信頼性の向上
次に、信頼性の向上です。
LPはWeb上の情報に過ぎないため、ユーザーにとっては信頼しても良いものか分かりません。よって、自社のサービスの信頼性を示すデータや事例を積極的に開示しましょう。
弊社では「集客力・コンバージョン向上実績/具体的なメソッドやフレームワーク資料/自社でのコンテンツマーケティング実績」と明文化しています。
実績はレポートベースで示せるようにしていますし、具体的なメソッドやフレームワークに関する資料もまとめており、ユーザーに目に見える形で根拠を示せるようなものを意識して明文化しています。
安心感の醸成
次が安心感の醸成です。
ここでは、ユーザーが購買・依頼をする際に不安に思うであろうポイントを一つ一つ潰していきます。
弊社では「代表の田上がしっかりとディレクション/提案資料のサンプルを提示」この様な文言で明文化しています。
サービス提供の際のサポート体制と、実際に提出する資料のレベル感を事前に知ることができるサンプルを用意し、享受できるベネフィットを解像度高くイメージできる体制を作っています。
アクションを促す
最後がアクションを促すコンテンツになります。
弊社では「Webマーケティングの戦略立案、Webサイト制作のご相談」とクライアントが依頼したい内容をシンプルにまとめ、ご相談への導線を設置しています。
こちらの「自社のサービス・商品が選ばれるロジック」をLP公開後にしっかりと効果検証し、LPに訪れるユーザーに対して効果的に訴求できるようになると、LPにユーザーが流入すればするだけコンバージョン数が増えるため、広告費対効果がどんどん向上していきます。
よって、最初にしっかりとLPの中のロジックを固めることが大事だと考えています。
まとめ
今回は、LP(ランディングページ)を改訂する際の注意点を、料金相場や訴求内容と共に解説していきました。
大切なのは自社にとって納得の行くLP構築、リニューアルにすることだと考えています。
上述の情報をもとに、LP制作の全体感を把握した上で自社の課題と照らし合わせ、どこをこだわるのか、またはどこを捨てるのかを判断しつつ制作会社の選定や、制作工程に着手するときっと満足度の高いプロジェクトになると思います。