皆さんこんにちは、エンドルフィンズのマーケティングロールのイトマンです!
今回の記事ではweb制作のスケジュールに関して、クライアント側ですべきことも含めてまとめていますので、以下の方にお勧めです。
- 依頼前にweb制作全体のスケジュールを一通り把握したい方
- 依頼後、スケジュールの各工程においてクライアント側でするべきことを把握したい方
なお、依頼するweb制作会社の方針やweb制作に使える予算によってスケジュールは変更となる場合もあります。
ですが、全体的な流れの確認はできますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
web制作スケジュール
web制作の全体スケジュールは大まかに以下の通りになっています。
なお日数はあくまで目安であり、制作するwebサイトの規模によって大きく変化いたします。
ここでは一般的な中規模サイト(20ページ前後の作成)をイメージして記載しております。
<全体スケジュール>
- 事前準備(1〜2週間ほど)
- 打ち合わせ(1週間ほど)・web戦略の立案(1〜2ヶ月ほど)
- デザイン作成(1〜2ヶ月ほど)
- コーディング(1〜2ヶ月ほど)
- webサイトの公開(数日)
- 保守・運用・サポート(webサイトを閉鎖するまで)
web制作の予算によっては「web戦略の立案」は省略されることが多い印象です。
各項目の詳細を確認してきましょう。
事前準備
ここでは「web制作の依頼前〜依頼後の初打ち合わせ前」までの流れとクライアント側でやるべきことをまとめています。
web制作を依頼する前に
webサイトを新規作成・リニューアルをするにあたり、明確な目標・希望があると思います。例えば、
- webサイトから集客を増やしたい
- かっこいいデザインにして集客したい
- 会員制のサイトを作りたい など
上記のような希望が多いですが、作り方によってはせっかくのwebサイトがうまく機能してくれない場合があります。
特に、「かっこいいデザインで集客したい」は注意が必要で、ただ見た目だけを良くしても効果的なwebサイトにはなりません。
過去の記事にて作成時の注意点をまとめていますので、ぜひ一度チェックをした上でweb制作の依頼をするのか検討をしてみてください。
RFP(提案依頼書)の作成
web制作を改めて決心しましたら、制作会社を決める前にRFP(提案依頼書)の作成を行うことをお勧めします。
あまり聞きなれない用語かもしれませんが、RFPとはweb制作を行う目的や要件をまとめた資料のことを指します。例えば、
- webサイトを制作・リニューアルする目的は何か?
- webサイトを通して、訪問者にはどんなアクションを起こしてもらいたいのか?
- webサイトの訪問者やターゲットはどんな人か?(どんな人にwebサイトを見てもらいたいのか?)
- webサイトでアピールしたい、自社の商品・サービスの特徴は何か? など
以上のような内容をメモ程度でもいいですので作成することで、web制作の質が大きく変わってきます。
RFPのより詳しい内容について気になる方は過去に記事でまとめていますので、ぜひ確認してみてください。
web制作業者の選定
web制作をすることが決まり、webサイトの方向性も決まりましたら、次はどのweb制作会社に依頼をするかの検討になります。
ただ、web制作会社はかなりの数が存在しますし、また、料金帯も幅が広く、どのように選定を行なっていけばいいのかわかりにくい状況だと思います。
web制作に関する費用については以前の記事にまとめていますので、こちらを参考にしてください。
この記事で、作成したいwebサイトにあった料金帯を絞ることができますので、あとはその料金帯で制作会社を検索していただき、予算やサポート内容などを検討して見てください。
いくつかの制作会社の候補が決まりましたら、各会社に相談することをお勧めします。
見積書の作成を頼むためにももちろん必要ですし、担当者の対応や知識レベルも大きな判断材料になると思います。
なお、相談の際には、提出してもらう見積書の金額でどこまでの対応をしてもらえるのか必ず確認をするようにしておきましょう。
制作会社が決定しましたら契約を行い、次のステップに移ります。
事前準備のスケジュールとやることまとめ
◯対象範囲:「web制作の依頼前〜依頼後の初打ち合わせ前」まで
◯スケジュール(目安):1〜2週間ほど
◯クライアント側でやるべきこと
- 本当にweb制作をするべきなのか検討する
- RFP(提案依頼書)を作成する
- 制作会社の選定ののち、数社に相談・見積書依頼を行い、契約を行う
打ち合わせ・web戦略の立案
ここでは「初打ち合わせ〜デザインに落とし込む前」までの流れとクライアント側でやるべきことをまとめています。
キックオフ・ミーティング
スケジュールの各工程において随時ミーティングが行われますが、初回のミーティングでは主に
- webサイトイメージならびに実装したい機能の確認
- 制作〜納品までの全体スケジュールの確認
- クライアント側で行なっていただきたい内容とそのスケジュールの確認
- web制作を進めていく上で障壁となる事項がないかの確認 など
といった項目を確認し、web制作をスケジュール通りに滞りなく進める準備を行います。
なお、予算の都合などで調査や戦略立案を実施しない場合には、この時点である程度のデザインレイアウトに関するヒアリングなども行われます。
クライアント側は共有すべき事項(懸念事項も含む)を事前に把握した上でミーティングに臨むのが良いでしょう。
調査
クライアントの競合他社の調査・分析を行います。
また、リニューアルの場合は、クライアントの現在運用しているサイトの調査・分析も行います。
どちらも制作会社にて行いますので、クライアント側では競合企業の選定を行ってください。
この調査では「アクセスに関する調査・分析」・「webサイト内に施している施策の調査・分析」などが主であり、それぞれのサイトの特徴を分析することでクライアントの弱点となっている要素を抽出します。
また、制作会社によっては「ユーザーテスト」を行い、実際に利用しているユーザーがどのようにクライアントのwebサイトを利用しているのか確認します。
ユーザーテストでは、こちらの想定していない方法でwebサイトを利用しているなど新たな発見があり、盛り込むべきコンテンツをより洗練させることができます。
なお、ユーザーテストを行う場合は、クライアント側にて実際にwebサイトを利用しているユーザーを探す必要があります。
戦略立案
調査によって収集した情報をもとに、webサイトでどのように集客を行っていくべきかの戦略を制作会社が考えていきます。
- ビジネスと戦略を整理する
- ペルソナを設定する
- コンテンツ企画を提案する
- webサイトの構造を設計する など
上記のような項目がこの他にも多くあり、それらを踏まえて全体のweb戦略とサイトの方向性、サイトの構造が決定されます。
決定した内容をもとに、次のステップにてデザインに落とし込んでいきます。
なお、「調査」・「戦略立案」をしっかりと行うにはそれなりの時間と費用が必要です。
中途半端な調査や戦略立案はクライアント・制作会社の双方にいいことが全くありませんので、見積書を依頼する段階でしっかりと相談をしておくことをお勧めしています。
打ち合わせ・戦略立案のスケジュールとやることまとめ
◯対象範囲:「初打ち合わせ〜デザインに落とし込む前」まで
◯スケジュール(目安):【戦略立案を行う場合】1〜2ヶ月ほど、【行わない場合】1週間ほど
◯クライアント側でやるべきこと
- 初打ち合わせ前に制作会社と共有すべき事項(懸念点含む)をまとめる
- (調査を行う場合)競合他社の選定を行う、ユーザーテストのユーザーを探す
デザインの作成
ここでは「デザインの落とし込み〜デザインの完成」までの流れとクライアント側でやるべきことをまとめています。
ワイヤーフレームの作成
ヒアリング内容ならびに調査・戦略立案にて決定したwebサイトの方向性に合わせて、制作会社がワイヤーフレームを作成します。
設定したゴールを達成するための工夫など明確な意図を持って作成しますので、制作会社の提案をベースにして問題ありません。
もし、どうしてもこうして欲しいといった要望がある場合には制作会社に相談をし、メリット・デメリットを把握した上で本当に変更するべきか判断しましょう。
なお、制作会社によってはこの工程を省くことでスケジュールを短縮し、費用を抑えてくれている場合があります。
その場合、デザイン制作の段階で要望を伝えることになるのですが、費用を抑えている関係で大幅な修正が難しい場合も多いですので注意しておきましょう。
※ワイヤーフレームとはwebサイトの設計図のようなものです。実際の写真や文章などは掲載せずに、webサイトのどの場所にどのコンテンツを配置するのかをまとめたものになります。
デザインコンセプトの決定
ベースカラーは何色か、どういった雰囲気の写真を多く使うのか、フォントではどのような印象を与えたいか、などといったコンセプトを決定します。
コーポレートカラーなど社内ですでに決まっているものはしっかりと制作会社に伝えていただき、そうではないものについてはイメージを伝えるだけでも問題ありません。
制作会社によってはそのイメージを元にいくつかの見本を見せてくれる場合もありますので、その中からよりイメージにあったものを選択すれば、あとは制作会社側で最適なデザインに仕上げてくれます。
原稿・コピー作成
webサイトに掲載するタイトルやキャッチコピー、商品紹介や企業理念など、様々な文章の原稿をクライアント側にて準備する必要があります。
なお、クライアント側で作成する時間が取れない場合には、見積もりの時点で相談をしておくことで、制作費は増えてしまいますが制作会社が代わりに作成を行なってくれます。
ただし、企業理念や専門商品の紹介文などクライアント側でしか準備できない箇所もありますので、代行を依頼する場合には、どの範囲まで対応してくれるのか確認することを忘れないようにしましょう。
デザインの制作・完成
ワイヤーフレームとデザインコンセプトをもとに制作会社がデザイン案を作成します。
基本的にデザインを1案作成してくれますが、見積もりの段階で依頼をしておくことで複数の案を作成してくれる場合もあります。
クライアント側にて 作成されたデザイン案にフィードバックを行い、制作会社にて修正します。
修正が完了しましたらデザインが完成となり次のステップに進みます。
デザインの作成スケジュールとやることまとめ
◯対象範囲:「デザインの落とし込み〜デザインの完成」まで
◯スケジュール(目安):1〜2ヶ月ほど(ページ数によって大幅に変化します)
◯クライアント側でやるべきこと
- 制作会社からの提案に対して、社内方針と齟齬がないか確認し制作会社にフィードバックする
※大幅な変更を加えたい場合には、制作会社の制作意図を必ず確認することをお勧めします。 - webサイトに掲載する文章を作成する
コーディングの実施
ここでは「デザイン完成後〜webサイトの完成」までの流れとクライアント側でやるべきことをまとめています。
システム要件確認
webサイトに実装する機能の最終確認を行います。ここでの機能とは、「プレスリリースなどの投稿機能」・「会員登録機能」・「E Cサイトのようなカート機能」などのことを指します。
実装して欲しい機能については「見積書」「打ち合わせ」「デザイン作成」のそれぞれで確認をしているはずですので、ここではこれまでに決まっていなかった細部の仕様確認とその仕様で問題ないかの最終確認となります。
なお、機能を変更したい場合には、遅くともこの段階で必ず相談するようにしてください。当初の予算内でできる・できないは、内容によって変わりますが、相談をしないことには始まりません。
そして、一番避けるべきことは、次の段階(コーディング)が進んでからの機能変更依頼です。
この場合、本来であれば予算内で対応できたかもしれない機能でも、すでに作業が進んでいると修正に時間がかかってしまうため、追加費用がかかる可能性も高くなります。
機能だけではありませんが、変更が生じる場合には早め早めに制作会社と相談をすることをお勧めします。
写真・イラストなどの素材制作
webサイトに掲載する様々な写真やイラストをクライアント側にて準備する必要があります。
なお、クライアント側で準備する時間が取れない場合には、見積もりの時点で相談をしておくことで、制作費は増えてしまいますが制作会社が代わりに写真の撮影やイラストなどの作成を行なってくれます。
写真撮影などを制作会社に依頼する場合には、撮影日などのスケジュール調整を行うようにしましょう。
また、制作会社によってはデザインイメージを鮮明にするため、デザインコンセプトの段階で大まかな写真が必要となる場合もありますのでご注意ください。
コーディング
デザインならびにシステム要件で決定した機能、原稿を元にwebサイトを制作します。
コーディングは基本的に制作会社が行うものですので、クライアント側は出来上がりを待つだけで問題ありませんが、もし、原稿や写真などで決まっていない内容がある場合には早めに決定するようにしましょう。
webサイト上(本番環境)でのチェック
コーディングが終わり公開できるwebサイトが完成しましたら、制作会社は問題なく表示・機能実装がされているのか確認を行います。
その際に、クライアント側でも閲覧できるようになりますので「レイアウト・写真・文章・機能などの確認」を行い、制作会社にフィードバックを行います。
ここで指摘した内容を全て修正することでwebサイトが完成します。
コーディングの実施スケジュールとやることまとめ
◯対象範囲:「デザイン完成後〜webサイトの完成」まで
◯スケジュール(目安):1〜2ヶ月ほど(ページ数によって大幅に変化します)
◯クライアント側でやるべきこと
- webサイトに実装したい機能の最終決定を行う
- 写真の準備を行う(写真撮影を依頼しない場合)
- インターネット上で完成したwebサイトの表記・機能チェックを行う
webサイトの公開
webサイトの公開対応は基本的に制作会社が行ってくれます。
クライアント側では公開されたwebサイトにおかしな点がないか最終確認を行いましょう。
なお、リニューアルでサーバーの切り替えを行う際には、古いwebサイトから新しいwebサイトに変わるまでそれなりに時間がかかります。
そのため、webサイトをPRに使う場合は、公開予定日から利用想定にしないことが賢明です。
余裕を持ったスケジュールを組むようにしておきましょう。
保守・運用・サポート
webサイトは公開されて終わりではなく、webサイトを利用する限り保守・運用・サポートが必要となります。例えば、
- サーバーセキュリティー対応、アップデート対応、バックアップ対応
- webサイトの内容更新、ブログなどの投稿
- webサイトのデータ集計、分析 など
上記のような項目が主にあげられます。
クライアント側で対応できる部分と制作会社にお任せした方が良い部分がそれぞれあると思いますので、制作会社選定の際には見積書の金額でどこまで対応をしてくれるのか確認を行うようにしましょう。
web制作スケジュールを短縮するポイント
web制作のスケジュールを確認してきましたが、質の高いwebサイトを制作するにはそれなりの日数が必要となります。
一番ベストなのは制作スケジュールを十分に確保した上で依頼をすることですが、PR戦略の関係などでwebサイトを少しでも早く活用したい場面もきっとあると思います。
そういった場合に何に気をつけ、どうやってスケジュールを短縮するのかのポイントを確認していきましょう。
事前に目的と課題を決定しておく
事前準備でも記載していますが、事前にゴールや目的、webサイトに載せたい機能などを記載したRFP(提案依頼書)を準備しておくことで、かなりの時間短縮とwebサイトの質の向上が見込めます。
この時に一番しておきたいことは「決裁権を持つ上司から了承・決裁を貰っておく」ことです。
担当者が良いと進めていたことが後日不許可になり、スケジュール・予算ともに圧迫してしまうことがよく起こります。
最悪の場合、予定していた日に公開することができなかったり、追加費用が発生してしまったりといった事態にもなりますので、しっかりと対策をしておきましょう。
確認時間を減らす
スケジュールを長引かせてしまう一番の原因は確認期間が想定以上にかかってしまうことです。
こちらも上司や決裁者の確認を待つケースでよく起きることになります。
制作初期に作成する全体方針で決裁者の確認を取った後、細部は担当者に任せてしまうなど可能な限り素早いチェックができる社内体制を事前に整えておくことが大切です。
スケジュールを短縮させることで、初期の見積もりも安くすることができるメリットがありますので、制作会社に相談する前に体制を整えておくとなお良いでしょう。
作業工程の削除
3つ目の手段はwebサイトの質を考えるとあまり使いたくはない手段ではありますが、制作会社と相談をした上でいくつかの工程を省略することで、スケジュールを短縮することが可能です。
- 調査・戦略設定を省略し、一般論で最適なwebサイトを目指す
- ワイヤーフレーム制作を省略しデザインを完成させる(大幅な方向修正は難しくなる)
- よく利用されているテンプレート型のデザインを採用する
- デザイン、コーディングの校正・確認回数を減らす など
上記のような項目が省略する工程の候補として考えられますが、減らした分だけより質が下がる可能性も高まります。
予算面・スケジュール面とwebサイトの質のどうバランスを取って行くべきか、見積もりの相談の時点でしっかりとweb制作会社と話し合っておくことが、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。
webサイト制作スケジュールについてのまとめ
<全体スケジュール>
- 事前準備(1〜2週間ほど)
- 打ち合わせ(1週間ほど)・web戦略の立案(1〜2ヶ月ほど)
- デザイン作成(1〜2ヶ月ほど)
- コーディング(1〜2ヶ月ほど)
- webサイトの公開(数日)
- 保守・運用・サポート(webサイトを閉鎖するまで)
今回はweb制作のスケジュールについてまとめましたが、大筋は上記の通りでした。
色々とやるべきことが多く制作にはそれなりの日数が必要なことがわかっていただけたかと思います。
あくまで一般的な大まかな流れであり、制作会社・予算・納期までの期日など様々な要因でスケジュールは変更となりますが、参考になれば幸いです。
また、各工程におけるクライアントのやるべきこともまとめましたが、webサイトの質をあげるためにもクライアントと制作会社の連携は欠かせません。
お互いに担当するべき内容をしっかりと明確化し、質の高いwebサイト制作を行いましょう。
Endorphinsでは、戦略立案から完成後のサポートまで様々な要望にお応えできるようにしておりますので、お気軽にご相談ください。