どうも、エンドルフィンズのカタリスト、細胞膜デザイナー、エコノミストのランディフです!
今回は、ミクロ経済学の概念である、需要曲線と供給曲線について取り上げます。
なぜEndorphinsにおいてこれを取り上げるかというと、「日本の価値を上げる」ことを存在目的としているEndorphinsにおいても、他の多くの組織体と同様に、経済的な側面との折り合いをつけていかなければならず、それには、会計・経済の知見が有用になるからです。
例えば、Endorphinsはまだ立ち上げたばかりなので、収支管理や、新商品・新事業の収益創出見込みとそれにかかる費用に関しての知見が蓄積していません。
そのなかで、「計画を立ててそれの通りに実行し、それができなければダメ」なものとして計画を立てるべしということではなく、「今後、何をどのタイミングでどうやろうか」ということの不用意な不確実性や透明性の無さを合理的に減らしていくには、会計・経済の知見が有用になると考えています。
そのため今回は、経済学の基本中の基本ともいえる、ミクロ経済学の基礎概念である需給曲線について取り上げ、Endorphinsでの経済の知見の基礎づくりをするために執筆します。
⓪経済学のキホン
まずは、経済学とはそもそもどんな学問なのかを説明します。
- 経済学とは、ひと言で表現すれば、「資源配分」 の学問。扱う範囲はメチャクチャ広いです。
- ある目的を定めたときに、限られた資源(水とか、石油とか、人の数とか、人のスキルとか、お金とか色々)をどこにどれだけ配分すればいいのかを、科学的な分析を通して導き出します。
- 目的の例
- ある個人の2021年の所得を最大化すること
- 中国が前年比のGDP成長率を6.7%にすること
- 自然科学であるかのような数学のオンパレードの学問発展の歴史もありますが、経済学は社会科学であって、自然科学ではないです。
- 経済学の難しさは、ほとんど常に変数と変数間の関係と変数のインパクトと時間が移り変わる、社会科学であるということです。仮にある時点で発生した事象を100%解明して説明できても、次の日にそれを全く同様に説明できるとは限らないことばかりです。
①需要曲線と供給曲線のキホン
ミクロ経済学の中でも最も基本的な、需要と供給に関する価格と量の描写である需要曲線と供給曲線を説明します。
- 需要曲線
- モノを購入する側の行動の描写の1つ
- ある販売価格のときに、どれだけの量のモノが欲しがられるか
- 価格の場合ごとに、モノが欲しがられる量がどれだけ変わるか、の軌跡を集めたもの
- 「安かったらもっと買ってもいい」
→ 右下がりの曲線を想定するのが一般的
- 供給曲線
- モノを販売する側の行動の描写の1つ
- ある販売価格のときに、どれだけの量のモノを生産してもよいか
- 価格の場合ごとに、モノを生産してもよい量がどれだけ変わるか、の軌跡を集めたもの
- 「高く売れるならもっと作ってもいい」
→ 右上がりの曲線を想定するのが一般的

②需要曲線の移動_(1)需要量の増加
- 需要量の増加
- ある販売価格のときに、欲しがられる量が増加する
- それぞれの販売価格において同様の変化が起きる
→ 需要曲線が右に移動する
- 需要量の増加による影響
- 取引される量が増加する
- 取引される価格が上昇する

②需要曲線の移動_(2)需要量の減少
- 需要量の減少
- ある販売価格のときに、欲しがられる量が減少する
- それぞれの販売価格において同様の変化が起きる
→ 需要曲線が左に移動する
- 需要量の減少による影響
- 取引される量が減少する
- 取引される価格が下落する

③供給曲線の移動_(1)供給量の増加
- 供給量の増加
- ある販売価格のときに、生産される量が増加する
- それぞれの販売価格において同様の変化が起きる
→ 供給曲線が右に移動する
- 供給量の増加による影響
- 取引される量が増加する
- 取引される価格が下落する

③供給曲線の移動_(2)供給量の減少
- 供給量の減少
- ある販売価格のときに、生産される量が減少する
- それぞれの販売価格において同様の変化が起きる
→ 供給曲線が左に移動する
- 供給量の減少による影響
- 取引される量が減少する
- 取引される価格が上昇する

④超過需要と超過供給_(1)超過供給の発生と価格調整
- ある時点において、市場均衡の価格よりも高い価格設定で販売ししている場合
→ 需要側として購入したい量と価格のバランスに対して、供給側が供給している価格が高すぎる
→ 価格を下げる圧力がかかる
→ 価格が調整される過程を減て、市場均衡まで価格が下がる - 例:消費期限が切れそうなときの卵の販売価格

④超過需要と超過供給_(2)超過需要の発生と価格調整
- ある時点において、市場均衡の価格よりも低い価格設定で販売ししている場合
→ 需要側として購入したい量と価格のバランスに対して、供給側が供給している価格が低すぎる
→ 価格を上げる圧力がかかる
→ 価格が調整される過程を減て、市場均衡まで価格が上がる - 例:保育所の価格設定
※ただしこれは、需要と供給によって調整されるメカニズムが政策という制約のもとで働かず、超過需要が超過需要のままで放置されてしまう。本来の調整が働けば、価格が上昇して市場均衡に至る。
※参考:「待機児童解消できるか 保育料引き上げが現実策」(2017年、RIETI)

ちなみに
日本では経済学の自体を正面から活用している事例は少ないと思いますが、海外では、経済学において専門的な知識を有している人材を企業が抱えてビジネスでその知見を活用する、という事例があります。簡単にではありますが、下記のような事例を紹介します。
- 経済学者の意外な(?)活躍場所
- 経済学者の求人